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斗南藩 「朝敵」会津藩士たちの苦難と再起 中公新書

星亮一

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121024985
ISBN 10 : 4121024982
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2018
Japan

Content Description

二十八万石を誇った会津藩は戊辰戦争に敗れ、明治二年、青森県の下北半島や三戸を中心とする地に転封を命ぜられる。実収七千石の荒野に藩士とその家族一万七千人が流れこんだため、たちまち飢餓に陥り、斃れていった。疫病の流行、住民との軋轢、新政府への不満と反乱…。凄絶な苦難をへて、ある者は教師となって青森県の教育に貢献し、また、近代的な牧場を開いて荒野を沃土に変えた。知られざるもうひとつの明治維新史。

目次 : 第1章 会津藩の戦後処理/ 第2章 なぜ南部の地に/ 第3章 移住者の群れ/ 第4章 斗南の政治と行政/ 第5章 会津のゲダカ/ 第6章 廃藩置県/ 第7章 揺れ動く心/ 第8章 斗南に残った人々/ 第9章 北の海を渡った人々/ 第10章 流れる五戸川

【著者紹介】
星亮一 : 1935年、仙台市生まれ。1959年、東北大学文学部国史学科卒業。2002年、日本大学大学院総合社会情報研究科修士課程修了。福島民報記者(県政キャップ)、福島中央テレビ報道制作局長等を経て現在、歴史作家。日本国際情報学会会員。戊辰戦争研究会を主宰。『奥羽越列藩同盟』で福島民報出版文化賞、新選組の研究とテレビ出演でNHK東北ふるさと賞、『国境の島・対馬のいま』(現代書館)で日本国際情報学会功労賞受賞。福島の原発問題と地域再生についても雑誌その他に寄稿している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • trazom

    私は、会津の斗南への移封こそが、明治新政府の下劣さを象徴するものだと思う。これは「いじめ」である。劣悪な環境下で、地元民からの蔑みを受けながら耐えた会津の人たちの暮らしが胸に刺さる。そんな苦難を救ったのが、憎き新政府による廃藩置県だったという解釈は、皮肉に満ちている。移住の自由が認められ、斗南に残る者、会津に戻る者、新天地を求める者(東京、北海道)など、新たな人生が紹介されている。司馬遼太郎さんが絶賛されていた通り、藩士と苦楽を共にし、斗南藩の藩政を主導した山川浩/広沢安任/永岡久茂の人間性が救いである。

  • rico

    教科書で語られることの少ない、戊辰戦争敗者会津藩のその後。彼らが与えられたのは厳しい北の地。十分な備えもないままの移住は多くの犠牲者を出す。新政府の基盤を固めるためのスケープゴートが必要だったか。そんな状況下でも明治の世で活躍する人物を輩出したポテンシャルに、脅威を感じたのか。著者が指摘するように「義一辺倒」の会津側の問題もあったろう。廃藩置県で救われたという皮肉。そして今、旧斗南藩の領地には原発関連施設が立ち並ぶ。厳しい環境に置かれている地域が社会のひずみを一手に引き受ける構造は、今も変わっていない。

  • 竹園和明

    戊辰戦争に敗れた会津藩は明治二年、青森県の旧南部領に転封を命ぜられ、平民になる事を拒んだ士族らは荒蕪不毛の蒼茫たる原野に移り斗南藩を作る。寒風で氷点下になる荒屋で藁にもぐって寝る日々。まともな食べ物もなく犬肉や死人の肉を喰らい、いつの日か薩長にこの恨みを晴らさんという怨念と会津武士の誇りを湛え極貧に耐える。一年半後の廃藩置県で移動の自由が認められた時、一万数千人いた斗南藩は一万人に減り、そのうちの6千人が病に伏していた。日本を二分した日本人同士の戦争。それが生んだ多くの悲劇を端的に伝える作品だった。

  • スー

    43戦いに敗れた会津藩のその後に焦点を当てた本です。内容は無念の一言に尽きると思います。問答無用で朝敵にされ頼みの奥羽越列藩同盟は呆気なく瓦解大きな損害をだしたのに更に追い討ちの下北半島に転封、大久保利通と桂小五郎による執拗な敵意で完膚なきまで打ちのめされるが不屈の会津魂で多数の優秀な人材を輩出し青森や北海道の発展に大きな業績を残した。官軍に逆らった者の見せしめとされた会津藩の苦難がるろうに剣心の斎藤一が語った幕府側の人間も敗者という役で明治維新に貢献したというセリフを思い出しました。

  • ようはん

    同じ著者の「会津落城」では会津戦争の苦難が書かれていたが、その後日談といえるこの本では青森下北半島の未開の僻地に移された会津藩の人々のさらなる過酷な生活が紹介されて辛い気持ちになる。斗南藩で亡くなった人も多いが反政府運動に身を投じて非業の最期を遂げた人もいるのが辛さを増している。

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