「日本スゴイ」のディストピア 戦時下自画自賛の系譜

早川タダノリ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784787220653
ISBN 10 : 4787220659
フォーマット
出版社
発行年月
2016年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
195p;21

内容詳細

テレビや雑誌でやたら目につく「日本スゴイ」の大合唱。「八紘一宇」や「日本人の誇り」を煽る政治家まで現れた。実は1931年の満洲事変後にも、愛国本・日本主義礼賛本の大洪水が起こっていた。「日本人の礼儀正しさ」や「勤勉さ」などをキーワードとして、戦時下の言説に、「日本スゴイ」という自民族の優越性を称揚するイデオロギーのルーツをたどる。

目次 : 第1章 「日本主義」大ブーム到来(「日本スゴイ」ネタの原型/ 日本主義は全人類の奉ずべき道徳精神である ほか)/ 第2章 「よい日本人」のディストピア(「日本人に生まれてよかった」?/ 学校教師を「ミニ天皇」化する「日本的学級経営」 ほか)/ 第3章 礼儀正しい日本人―国民礼法の時代(用便は便所にすべきで、庭や路傍にすべきではない/ 祝祭日には赤飯炊いて ほか)/ 第4章 よく働く日本人―勤労哲学の教化と錬成(兵士は戦場に死し、工員は職場に斃る/ 「日本的勤労観」の暗黒 ほか)/ 第5章 神がかり日本に敗戦はない(大東亜皇道楽園の出現/ 大東亜戦争の神話的意義 ほか)

【著者紹介】
早川タダノリ : 1974年生まれ。フィルム製版工などを経て、現在は編集者として勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • めろんラブ  さん

    先の戦時下、国民はどのように洗脳されたのか。その一端を知ることができた。タイトルからもうかがい知れるように、「自国礼賛が凄すぎてウケるんですけど」といった体で小バカにしつつ批判的に語られた一冊。軽い語り口とは裏腹に、収集した資料の膨大さからも、筆者の真摯な姿勢が見うけられる。いつの時代もプロパガンダ的な活動はあるけれど、日本国(民)は他より優れているという言説が堂々とまかり通るようになった時には既に・・・という危機意識と共に、もしや今も?と冷や汗。「戦争が廊下の奥に立つてゐた」(渡辺白泉)を思い出しつつ。

  • ヨーイチ さん

    実際に手に取ったのは朝日文庫。著者のスタンスを知っていれば、内容は想像がつく。大昔の話なので「今とは関係ない」「昔は遅れてた」って言ってしまえばそれまで。昨今の「日本スゴイ」 探しの根底に戦前の翼賛体制下での活動が有ると著者は主張している。多分そうなのだろう。全く役に立たず、気の重い運動、主張が延々と続く。再確認したのは公的機関、外郭団体が挙って皇国史観から導き出された理屈に従って、粛々と「仕事」をして来たって事か。こうなっちゃうと個人の思想なんて笹の小舟であろう。続く

  • おかむら さん

    戦前のトンデモ本(今から見ると)の数々を紹介。当時は本気。どうかしてるぜ。そして今も同じこと主張し続けている一群がいる怖さ。万世一系の天皇がいる日本はよその国より優れてる、って私にはサッパリわからんよその理屈。

  • oldman獺祭魚翁 さん

    図書館本 HONZで紹介されていてこれは読まなくてはと思って借りてみた。最近テレビのバラエティー等で、外人を集めて日本はスゴイと持ち上げる傾向の番組を見掛る。ゴールデンタイムに流しているんだから視聴率はそれなりに稼いでいるんだとは思うけど、なんとなく「ケツがムズムズする」(失礼)居心地の悪さを感じていた。同じ傾向は本屋でも新刊書として見かけるし、ネットを見れば似たようなエピソードが垂れ流しになっている。僕は別に自虐史観を支持する積りもないし良いとは思っていないが、それなら「進め一億火の玉だ」の頃は…続く

  • 更紗蝦 さん

    この本の中で紹介されている「戦時下の自画自賛の言説」が、現在は影も形もないのであれば、「当時は非常時だから仕方なかったのかな…」と同情する気持ちも多少は生じてきますが、戦時下でもないのに現在でも立派に残っていることが心底恐ろしいです。特に、「労働=奉仕」という価値観は、景気が悪くなったから「復活」したというわけではなく、景気が良かったバブルの頃にも強固だったわけで、職場を「戦場」、労働者を「産業戦士」とみなした戦時中の価値観は、「24時間戦えますか」というリゲインのCMソングを思い出さずにはいられません。

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