時空旅行者の砂時計

方丈貴恵

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784488025625
ISBN 10 : 4488025625
フォーマット
出版社
発行年月
2019年10月
日本
追加情報
:
313p;20

内容詳細

瀕死の妻のために謎の声に従い、二〇一八年から一九六〇年にタイムトラベルした主人公・加茂。妻の先祖・竜泉家の人々が殺害され、後に起こった土砂崩れで一族のほとんどが亡くなった「死野の惨劇」の真相の解明が、彼女の命を救うことに繋がるという。タイムリミットは、土砂崩れがすべてを呑み込むまでの四日間。閉ざされた館の中で起こる不可能犯罪の真犯人を暴き、加茂は二〇一八年に戻ることができるのか!?“令和のアルフレッド・ベスター”による、SF設定を本格ミステリに盛り込んだ、第二十九回鮎川哲也賞受賞作。

【著者紹介】
方丈貴恵 : 1984年兵庫県生まれ。京都大学卒。在学時は京都大学推理小説研究会に所属。第29回鮎川哲也賞を受賞した『時空旅行者の砂時計』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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瀕死の妻を救うために、1960年にタイムトラ...

投稿日:2021/04/10 (土)

瀕死の妻を救うために、1960年にタイムトラベルして、妻の祖先・竜泉家の人々が次々に殺され、その後の土砂崩れで一族がほとんど死亡した「死野の惨劇」の真相を解明することになった加茂。雑誌記者だった彼は、「死野の惨劇」についてかなりの知識を持っており、それが事件解決に役立つと思われたが… タイムトラベルとミステリ、しかも不可能犯罪を融合させた意欲的な作品。SFとミステリというと、アシモフの『鋼鉄都市』が有名だが、私の感覚では同作はSFという土台の上にミステリが組み立てられた感じだが、本作は、主人公がタイムトラベルしても、それほどSF臭がせず、あくまでも不可能犯罪に重きがおかれている。 ミステリそのものとしては悪くない。1960年という設定が一つのポイントになっていて、現代からタイムトラベルした加茂が戸惑う部分があるのも分かりやすい。ただ、驚天動地というレベルではない。また、タイムトラベルに必然性があるのは分かるが、ミステリとうまく化学反応を起こしているか、と問われると疑問である。読後感そのものは良いのだが、ラストもある意味で、予測を大きく超えるものではない。 本作と相前後して読んだミステリ4冊のうち、3冊が過去、しかも携帯電話やスマホがない時代を舞台にしている。別にそのためにだけに過去を舞台にしたわけではないだろうが、不可能犯罪が現代では成立しにくいのも事実だろう。

ねも さん | 兵庫県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • パトラッシュ さん

    外部に連絡できない孤立した山荘で、しかも土砂崩れが来て全滅するのがわかっている状況下で殺人犯を発見しなければならないタイムトラベラー。このSFと本格謎解きを組み合わせた超絶的設定は鮮烈であり、多少わかりにくいが時間旅行自体を犯罪トリックに組み込んだミステリは前代未聞だろう。面白さと奇想天外さは合格点だが、小説としては保留したい部分も残る。SFの教養がない読者がマイスター・ホラやジョウント効果を理解できるのか疑問だし、ここまで何でもありだとジャンプ系漫画の模倣に思われかねない。その意味では読者を選ぶ作品だ。

  • 麦ちゃんの下僕 さん

    話題の新作『孤島の来訪者』を今月読む予定ですので、その前にデビュー作から読んでおこうと。鮎川哲也賞受賞作だけあって、実に読み応えのある面白い作品でした!主人公・加茂冬馬は、ある目的のため2018年から1960年にタイムトリップして(させられて笑)事件解決に挑む訳ですが…横溝正史的な“旧家の惨劇”にSF設定を見事に融合させた手腕に脱帽!メイントリックもユニークですし、“見立て”の必然性にも納得です。物語の着地の仕方や、あのドラマを思わせるラストシーンも素敵ですね♪特に“ハウダニット”好きにはオススメです。

  • しんたろー さん

    読友さん絶賛で興味を持ち、古くは加納朋子さんを輩出し、近年は『屍人荘の殺人』『ジェリーフィッシュは眠らない』など挑戦的な本格ミステリが受賞している鮎川哲也賞なので楽しみにしていた…期待通り「新しい本格もの」として納得の完成度。孤立した山荘で謎だらけの連続殺人はミステリの王道ながらタイムトリップしてきた主人公が必死に謎解きをする展開が面白い。横溝正史さん的な複雑な親族関係と映画でお馴染みのSF設定を融合した手腕に拍手を送りたい。本格ものの欠点「心情不足」ではあるが、エピローグが清々しくて好印象。次作も期待♬

  • nobby さん

    冒頭5頁にわたる建物図・家系図から否が応でも期待するのはミステリ!ワクワク読み始めて目にするのは意外にもSFタイムリープ展開!瀕死の妻にかかる「竜泉家の呪い」取り除くため、いざ58年前の事件現場へ!すると今度は密室にバラバラ殺人に見立てにと絶品な本格ミステリへ変貌!不可能犯罪の重なる八方塞がりな事態に混迷していると、まさか再びSF宙返りは鮮やか(笑)そして明かされる真相は、うまく読み手の逆を行き嘆息させるのはお見事!思わせぶりな伏線も細かく納得の回収されて満足♬微笑ましいラストにむけて至福の一気読み必至!

  • ひさか さん

    2019年10月東京創元社刊。説明が多く、読み進めるのが辛かったのですが、がんばって読むと、ラストが良く、面白かったです。

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人物・団体紹介

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方丈貴恵

1984年、兵庫県生まれ。京都大学卒。2019年『時空旅行者の砂時計』で第29回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。長編第二作の『孤島の来訪者』は「2020年SRの会ミステリーベスト10」第1位に、第三作『名探偵に甘美なる死を』は第23回本格ミステリ大賞の候補に選出されている(本データはこの書籍が刊行された

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