レオナルド・ダ・ヴィンチ ミラノ宮廷のエンターテイナー 集英社新書

斎藤泰弘

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087211030
ISBN 10 : 4087211037
フォーマット
出版社
発行年月
2019年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
263p;18

内容詳細

ル ネサンス期の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチ。
芸術家、科学者として有名な彼だが、その素顔は人嫌いで、生涯、鏡文字を使い、若いころは未完作品ばかりで、実力はあるけれども「画家失格」の烙印を押されるほどであった。
そのレオナルドが、軍事技術者として自らを売り込み、君主の権謀術数の手先として壮大な宮廷イベントの総合演出を取り仕切り、さらに『白貂を抱く貴婦人』『美しき姫君』『最後の晩餐』などの名画を作った約20年間のミラノ時代の活躍を検証する。
同時に彼の残した手稿から、天才の秘めた闇の部分も描き出す。


彼は多くの点で異常な人間であると思う。
天才的な直観力、豊かな想像力、卓越したアイデア、頭脳の明敏さ、驚くべき集中力など、褒め言葉はいくらでも思い浮かぶ。
だが、それと同時に暗い面での彼の異常さも目につく。社会との奇妙な隔離意識と、善悪の彼岸に立ってこの世を眺めているような態度、密かな孤独癖と、愛想のよさに隠された厭人癖などである。

本書の狙いは、ある意味でレオナルドという偉大な偶像を破壊することであり、彼を「万能人」とは「時代を超越した天才」としてではなく、われわれと同じ弱点、いや、われわれよりはるかに大きな人間的弱点を持つ人間として捉え直すことであった。
                                   ──本書より抜粋
【著者プロフィール】
斎藤泰弘(さいとう やすひろ)
一九四六年、福島県生まれ。京都大学名誉教授。専攻はイタリア文学、イタリア演劇。
『鳥の飛翔に関する手稿』(谷一郎、小野健一との共訳)で第3回マルコ・ポーロ賞受賞。
レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿研究の第一人者で、著書に『レオナルド・ダ・ヴィンチの謎 天才の素顔』(岩波書店)、『ダ・ヴィンチ絵画の謎』(中公新書)、『誰も知らないレオナルド・ダ・ヴィンチ』(NHK出版新書)がある。

【著者紹介】
斎藤泰弘 : 1946年、福島県生まれ。京都大学名誉教授。専攻はイタリア文学、イタリア演劇。『鳥の飛翔に関する手稿』(谷一郎、小野健一との共訳)で第三回マルコ・ポーロ賞受賞。レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿研究の第一人者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 寝落ち6段 さん

    稀代の天才が死んで500年。私たちは、その絵画や研究記録を知っているし、手稿は鏡文字で書かれていることも知っている。なんで万能なんて言われてるの?どんな生活してたの?と聞かれれば、そんなに詳しくはわからない。レオナルドは天才だ、という言葉には本当はどのような人間だったかはほぼ省かれてしまっている。本書はレオナルドの生涯を三つに分けたうちの中期のもので、もっとも華やかな舞台・ミラノでの生活を描く。ルネサンス期の宮廷での芸術家の立場、社会情勢などに鑑み、レオナルドの本質に迫る。『最後の晩餐』の画期性が面白い。

  • こはく さん

    『誰も知らないレオナルド・ダ・ヴィンチ』に続いての同著者の本。没後500年なのに、一般書店であまりダヴィンチ本を見かけなかったところへの、オアシスの水のような感じ。鏡文字を書く理由、ミラノのロドヴィーゴの元での日々などや著者の考えが面白く読めた。厭人的で孤独好きなのに愛想はよくてエンターテイナー、出自と生い立ちの関係から弟子には母親のように優しく、繊細だが宮廷の闇の中でもへっちゃらな神経の持ち主、名声願望…。「大天才」の実態。もうこれだけで映画にでもなりそうだけど、「ダヴィンチもの」って分野はないのかな?

  • cocolate さん

    宮廷イベントのプロデューサーみたなイメージはいままで全然なかったので、新鮮。3つの時代のちょう知られざる部分の話なのかな。。。実験とか発明とか田舎でずっとやっていたと思っていた。。。その後のレオナルドの話も是非よんでみたい。

  • zepe(第1刷発行) さん

    読むほどに、彼が「絵と勉強ができる綾小路きみまろ」に思えてくる。

  • kurousagi さん

    「感覚的な経験が、感覚を超えた理法によって生じる」「自然界ではいかなる結果も理法なしには生じない。理法を把握せよ。そうすれば経験は必要なくなる」

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