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ISBN 10 : 4766425286
Content Description
生命の自己保存を至上命令とする自然に生きる私たちに、「自由」はいかにして可能か。私たちの世界の存立構造の内に「責任」という仕方で兆した「自由」の可能性をめぐって、現代科学の議論を参照しつつヨナス、アレント、ハイデガー、レヴィナスらと共に、そして彼らに抗して、独自の思索を紡ぎ出す。本書は、「自由」の起源を自然界における「自発性」に見出し、「心」から「意識」の成立を、一方を他方に還元できず、かつ両者の間には一方が他方を「支え」、他方が一方を「包む」という固有の関係性として捉え直すことで、形而上と形而下の論理を繋ごうとする。このようにして生命の論理の支配下にいることに常に意識的でありながらも、それにも拘わらず、私は自ら欲したところのもので「ありうる」(「私は自由なのかもしれない」)。この純粋な可能性の次元に生きようとすること、これは誰に命じられたのでもない「自由」である。
目次 : 「ある」に訪れた危機/ 第1部 自由(「私」という単独者/ 私は自由なのかもしれない)/ 第2部 生命と行為(生命は存在の目的か―ヨナス/ 倫理は行為たりうるか―アレント)/ 第3部 責任(責任という自由―ハイデガーとレヴィナス)
【著者紹介】
斎藤慶典 : 1957年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。哲学博士。慶應義塾大学文学部哲学科教授。専攻は現象学、西洋近・現代哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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