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世界の終わりに君は花咲く 1 電撃文庫

成東志樹

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784049164169
ISBN 10 : 4049164167
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
みすみ ,  

Content Description

 とある地にて突然降り始めた『黒曜雨』は、瞬く間に世界中を恐怖で覆い尽くした。
 触れた人間を死に至らしめる黒い雨は、僕らの街も例外なく襲う。人々の怨嗟の声は、激しい雨音にかき消された。
 『黒曜雨』の危機から五年が経った現在、僕・晴原想河はまだこの街で生きていた。透明な雨が降りしきるなか、隣の彼女・午堂夕妃と一緒に空を見上げる。そこには天を突き破らんばかりに大樹がそびえ立つ。
「お姉ちゃん‥‥」
 夕妃の姉・朝妃は自らの命を代償に、『黒曜雨』を浄化する大樹となった。この街は救われ、人々は笑顔を取り戻しつつある。
 けれど、僕らの犯した罪は――まだ決して許されてなどいなかった。

【著者紹介】
成東志樹 : 愛媛県松山市出身。第29回電撃小説大賞にて賞をいただきデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • よっち

    とある地にて突然降り始め、瞬く間に世界中を恐怖で覆い尽くした黒曜雨。死の雨によって滅びゆく街で、世界とかけがえのない彼女を天秤にかける物語。自らの命を代償に『黒曜雨』を浄化する大樹となった兄の彼女・午堂朝妃。優しい晴原想河が密かに抱えていた悔恨と、高校生になった彼女の妹・夕妃との再会。様々な葛藤をずっと抱えて生きてきた2人が、どうしてこうままならない状況に陥ってしまうのか。それでも大切な人には生きていてほしいというそれぞれの想いは尊くて、ひとつひとつに向き合っていったその結末がとても印象に残る物語でした。

  • 真白優樹

    死に至る病を齎す黒い雨と、それを浄化できる大樹に変わる病が生まれた世界で、とある罪を抱えた少年が、後輩の少女と再会し始まる物語。―――共に死ぬ世界か、一人生かす世界か、選ぶその果てに。 罪を許す彼女との恋人同士としての日々、それを切り裂く、強くなる黒い雨。世界が人類を滅ぼそうとする中、世界か彼女かと選ばされるお話であり、独特の切なさと選択の尊さがある物語である。生かすために木に代わり、いつまでかは分からぬけれどまだ存続する世界で、遺された思いを胸に。その道に祝福を。 うん、とても面白かった。

  • ほたる

    犠牲によって世界は救われる。その犠牲が身近な人で、それも大切な人であったとしたら。世界観の設定から登場人物の心情を描き、物語は進行していく。この状況によって生み出された気持ちは、機械的なものなのか、それとも心の底から湧いてくるものであるのか。

  • 冬野

    作者さん二作目。セカイ系SF恋愛難病余命ものと要素は多いが散らかった印象はない。しっとりと水分を含んだ、小雨が傘に当たる心地いい音のような作者さんの文体で綴るべき物語だと思った。未来が見通せない世界で、主人公やヒロイン、それぞれの兄や姉が抱えるものが明かされていく過程に胸が詰まった。運命が残酷すぎる…。セカイ系って主役が自分に酔ってる感じがあって苦手寄りなんだけど、今作の登場人物たちの抑えたテンションは自分に馴染むものだった。ライト文芸レーベルでもおかしくないほど浮いたところのない真摯な作品。星:4/5

  • 椎名

    セカイ系……というより不治の病系に感じてしまったというのが正直なところ。滅びゆく世界と、唯一の対抗手段。しかしその対抗手段となる人間に選べるのは尊厳死か樹木化の二択で、世界を捨てて一人を救うという選択肢が存在しない時点でなかなかに救いがない。だからこそ周囲には選択権も、それを救う手段もなく、当事者となる人間の一存でしかない……というのは作品で描いていた人の痛みは他の誰にもわからない、というところに繋がりはするのだが。最後までその痛みはわからない、というのが一貫していたのは良かった。

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