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モンゴルと大明帝国

愛宕松男

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784061593176
ISBN 10 : 406159317X
Format
Books
Publisher
Release Date
February/1998
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • coolflat

    四ハン国の元だけが中国化した理由。トゥルイ家のある特殊傾向による。モンゴル慣習では末子相続とされており、チンギスの領有するモンゴリア本国は末子トゥルイが受け継ぐはずだった。ところが三子オゴタイが二代ハーンを受け継いだため、ハーンでありながら本国を直接支配できない不都合が生じた。この矛盾を調停するためにトゥルイは自分の権利を放棄し、代わりに漢地が宛がわれた。北方草原に所領を持たなかった結果として、定住社会に対する強い関心が生まれた。モンケ、フビライが南方定住地域(=南宋)に異常関心を示したことに一端が見える

  • Hatann

    元と明の時代を素描する。燕雲十六州割譲から始まる征服王朝の華北支配は約300年ののちにモンゴルに引き継がれる。明の猛攻によりモンゴルが撤収するまで約430年ものあいだ異民族の支配が続いたことになる。永楽帝が南京から北京へと遷都することで政治と経済の中心地が分離する体制は継続した。モンゴルを想起させる拡大主義の永楽帝ののちに守成の時代に入る。官吏の意向を尊重した税量の銀納化は農民生活を圧迫した。明は農民反乱により内部崩壊する。通俗文学など大衆文化が発達するともに、農民の穀物以外の商品生産・副業が多様化した。

  • ポルターガイスト

    長年積まれていたが読めた。初版が1974年なので(特にモンゴル部分はオゴタイ・ハン国とかあって)古さが否めないのと,元明の接続性・断絶性を意識して描くようなことを前書きで言っておきつつ別にそうでもないことがたまに傷。しかし,元部分は文体がとても格式高く,明部分は物語性のある優しい語り口で,初心者向け全集の一冊としてとても手堅いよいつくりをしています。古き良き歴史本という印象。これをベースに最新の近世アジア史研究の成果を乗せていく位が高校世界史教師にはいいんじゃないかと思いました。

  • 韓信

    モンゴル前史としての遼金から説き起こし、モンゴル帝国と明の沿革を描く概説書。杉山正明以前の「中国史」の枠組み内で終始する点や、元明ともになぜか軍制への言及に乏しい点など、内容の古さや不満点もあるが、著者2人がともに文章達者で、政治・社会・法制・文化など叙述のバランスがとれていることもあり、入門としては良書。個人的には漢人世侯の支配や明代の多様な民衆反乱に関する叙述が多くて嬉しい。モンゴルの支配による文化水準の低落によって、士大夫層と民衆の文化が接近し、明代で陽明学の影響下に大衆文化が花開く流れも解りやすい

  • 鴨の入れ首

    1998年刊。図書館本です。モンゴル帝国成立前(遼・金)から明の滅亡(李自成の乱)までを概説する中国史解説書です。原本が出版されたのは1974年とのことなので、内容の古さは否めないのは事実です。でも、元明時代の中国の政治・外交・文化・経済など多方面から論述されており、歴史の流れを知るには十分ではないでしょうか。大変興味深く読めました。

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