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麦の海に沈む果実

Riku Onda

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062739276
ISBN 10 : 4062739275
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2004
Japan

Content Description

三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる全寮制の学園。二月最後の日に来た理瀬の心は揺らめく。閉ざされたコンサート会場や湿原から失踪した生徒たち。生徒を集め交霊会を開く校長。図書館から消えたいわくつきの本。理瀬が迷いこんだ「三月の国」の秘密とは?この世の「不思議」でいっぱいの物語。

【著者紹介】
恩田陸 : 1964年宮城県生まれ。早稲田大学教育学部卒。1991年の第3回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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恩田陸さんの作品の中でも個人的に一番好き...

投稿日:2021/04/15 (木)

恩田陸さんの作品の中でも個人的に一番好きな作品です。怪しく閉鎖的な学園、不可解な事件、そんな中で築かれる歪で美しい友愛。 輪郭のつかめない何かに翻弄される主人公とその同級生のキャラクターが何より魅力的です。 不穏である種耽美的なこの子供たちの世界に何度も帰りたくなり度々読み返しています。

mori さん | 東京都 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • さてさて

    ここは日本なのだろうかと思えるような不思議な学園世界が描かれるこの作品。その中で留学生のヨハンの存在が逆にここが日本であることを暗示させてもいきます。そんなヨハンが放つ表現。『日本語って視覚的にゴージャスな感じがしていいですよね。漢字は贅沢な絵みたいだし、ひらがなは無邪気で色っぽい』という表現はとても新鮮です。物語は後半にかけて一気に展開する中で、理瀬にまさかのキャラ変が発生!!そして、読者を振り落とそうとするかのように急に疾走を始める物語。これぞ恩田さんの真骨頂とも言うべき素晴らしい作品だと思いました。

  • 青乃108号

    何と書けばいいのかな。面白かったと言えば面白かったけど、思っていたような作品ではなかった。作品で描かれる不可解な学園の世界はそれなりに魅力的ではあったので、結局最後まで読んだんだけど。色々仕込んではいるけれど何か納得出来ないというか、パズルのピースがピタっとはまって、ああ!そうだったのかっていう爽快感がない。なんか読後もモヤモヤした感じが残る。登場人物は多いけど、二、三人を除けばどうでも良い扱いだし。学園の造りは描写が下手くそでイメージが掴みにくい事この上ない。俺にとっては「サスペリアpart2」だった。

  • パトラッシュ

    リアルとファンタジーの狭間に閉じ込められた世界を構築させては、恩田陸の右に出る作家は少ない。ダークな風土に孤立する謎めいた学園が舞台のドラマは、そんな著者の手腕が最高に発揮されている。次々と生徒が死んだり失踪しても騒ぎにならず、外の情報が全く入ってこないのに誰も疑問に思わず、校長が男になったり女になったりする。そんな狂気と正気が入れ替わってしまう日常を読者も当然として受け入れてしまい、いつの間にか自分も時の流れという海に漂っている。人の愚かさ醜さを超越した永遠の時間こそが本書のテーマだと気付かされるのだ。

  • SJW

    消化不良に終わった「三月は深き紅の淵を」の続編という事で読むのが少し憂鬱だった。しかし「三月は...」連作短編だったがこちらはミステリーの学園ファンタジー長編で、恩田さん得意の学園もの、演芸、音楽などが散りばめられ、修道院跡に作られた架空の中高一貫校で殺人事件が起こり、湿原の中に閉じ込められており抜け出せないというミステリーにはぴったりの舞台。読んでいるとデジャブ??と思ったが、「三月は...」の最期の章が「麦の海に...」の予告編になっていた。これは恩田さんが試した○○的円環という手法らしいが複雑(続)

  • ムッネニーク

    68冊目『麦の海に沈む果実』(恩田陸 著、2004年1月、講談社) 『三月は深き紅の淵を』の中で描かれた理瀬の物語を膨らませ、長編にしたかの様な作品。登場人物は『三月は〜』と共通しているが、作中で起こる事件や物語の結末はかなり異なっている。閉ざされた環境と数多の謎が描かれた、ミステリーの魅力に溢れる作品ではあるが、クライマックスへと向かうにつれてどんどん小さく纏っていってしまったという印象を受けた。 「そう、私たちは皆、灰色の海にゆらゆらと漂っていた。」

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