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城の崎にて・小僧の神様 角川文庫

志賀直哉

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784041003343
ISBN 10 : 4041003342
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2012
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

秤屋ではたらく小僧の仙吉は、番頭たちの噂話を聞いて、屋台の鮨屋にむかったもののお金が足りず、お鮨は食べられなかった上に恥をかく。ところが数日後。仙吉のお店にやってきた紳士が、お鮨をたらふくご馳走してくれたのだった!はたしてこの紳士の正体は…?小僧の体験をユーモアたっぷりに描く「小僧の神様」、作者自身の経験をもとに綴られた「城の崎にて」など、作者のもっとも実り多き時期に描かれた充実の作品集。

【著者紹介】
志賀直哉 : 1883年宮城生まれ。1910年、親友の武者小路実篤らと雑誌「白樺」を創刊。翌年、東大国文科を中退。主著として、『大津順吉』『和解』『暗夜行路』など。緊密な描写による中短編を含む作品群は、近代日本文学史上評価が高い。「小説の神様」と呼ばれ、多くの作家に影響を与えた。49年に文化勲章受章。71年、肺炎と全身衰弱のため88歳で逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • みかん🍊

    先日城崎に行ってきたのにこの作品を読んでいなかった事に気が付いて読んでみた、旅情豊かな話かと思っていたら、生と死を扱った深い作品だった、列車に曳かれたのに生きている僕、死んでしまって仲間から見捨てられた蜂、石を投げられて殺されそうな鼠、当てるつもりがなく投げた石に当たって死んでしまったイモリ、その差はなんだったんだろう。大正に書かれた作品ではあるが思いのほか読み易かった。清兵衛と瓢箪、小僧の神様も面白かった。それにしても列車に曳かれて無事だったというのも凄い。

  • 菜穂子

    流石、文豪と言われる方の作品、短編なのに心理描写、人物像がしっかりと読み取れるわかりやすい文章だった。江戸切子のような装丁もお気に入り。 「小僧の神様」が一番好き。

  • にゃおんある

    城の崎にて。唐突に電車にぶつかるなんて、自殺でもしようとしたのかな、と読者をいきなり混乱させます。そこから虫の挿話を介して生きることへの反問めいた展開があります。鼠の話が残酷で、害虫を殺す歓びって確かにあって、吸われた蚊なぞやっつければ晴々するのでしょう。不意に訪れた生、玩ばれた命、関心を示されない死骸、そして偶然助かった魂の投石で、たまたま殺されてしまうという因果。そのるつぼの中にいるのだなと思い知らされてしまいます。それが滅形にならず、ここからはじまる感があるところが妙に面白いのです。

  • 佐久間なす

    自身の城崎温泉での療養体験をもとにして綴られた「城の崎にて」他、14篇収録の作品集。 志賀直哉の淡々と事実のみを綴る文体に、すっかりはまってしまいました。 15篇収録されている作品のうち、特に好みだったのは「小僧の神様」。 番頭が噂しているおいしい鮨屋へ、小僧が行ってみたくなる気持ちが食いしん坊としては、よくわかりました。 ある紳士によって、鮨屋へ行くことができた小僧。それは小僧の身分にはあわない贅沢かもしれませんが、それでもつかの間の幸せを味わえたのが、とてもよかったなと思いました。

  • てんちゃん

    前に読んだ志賀直哉の『剃刀』が好きで、彼の短編集をちゃんと読みたいと思い続けてました。文章に無駄がなく非常にスマート。そしてごく短い短編にも関わらず構成力が巧み。さすが日本文壇界の巨匠と納得です。収録作については私小説・心境小説的なものより子供が描かれた作品(「清兵衛と瓢箪」「小僧の神様」)の方が好みでした。

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