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映画の声 戦後日本映画と私たち

御園生涼子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622085515
ISBN 10 : 4622085518
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「もし死刑という制度に例外事態が起こってしまったとするならば、すなわち、死刑の執行が失敗し、その後も被告人が生き延びてしまったとしたら、一体何が起きるのか?こうした一見、抽象的な思考実験とも思える問いを通して、大島は「国家」という制度の核心へと近づいてゆく」。『日本の夜と霧』『絞死刑』『儀式』『二十四の瞳』『ひめゆりの塔』『浮雲』『森と湖のまつり』『仁義なき戦い』『セーラー服と機関銃』―大島渚や木下恵介からメロドラマ、実録やくざ映画、角川映画まで、日本映画は戦後民主主義と大衆消費社会の結節点にありながら、国家と共同体の外へ追われた“他者の生”を描いてきた。国民の物語と娯楽性の狭間にあって映画は、安保を、在日を、天皇を、戦争を、沖縄を、アイヌを、ふるさとを、恋愛を、少女を、いかに表象してきたのか。映像に固有の論理と緻密な分析によって、仮借なき暴力に彩られたそのさまざまな“声”を聴き取る、硬派で繊細な映画批評の誕生。

目次 : 第1部 大島渚とその時代(時代を証言する―『日本の夜と霧』/ 法の宙吊り―『絞死刑』における国家と発話主体/ 呼びかける死者たちの声―『儀式』における国家と戦後民主主義のイメージ/ オオシマナギサを追悼する―つねにいつもそこにいる運命的な「他者」に向って)/ 第2部 メロドラマの政治学(幼年期の呼び声―木下恵介『二十四の瞳』における音楽・母性・ナショナリズム/ 従軍する女性たち―『ひめゆりの塔』にみる戦争とジェンダー/植民地表象の政治学/ コロニアル・メロドラマ試論―成瀬巳喜男『浮雲』にみる「植民地主義メロドラマ」の可能性/ メロドラマ的回帰―『秋津温泉』にみるメロドラマ形式の可能性)/ 第3部 ジャンル映画のディスクール(馬鹿は死ななきゃ治らない―『次郎長三国志』における富士山の表象とその遊戯性/ “ビヤッキー”と呼ばれた男―内田吐夢『森と湖のまつり』における高倉健のイメージ/ 召喚される暴力/記憶―『仁義なき戦い』における菅原文太と分有されるイメージ/ 少女・謎・マシンガン―“角川映画”の再評価)

【著者紹介】
御園生涼子 : 1975年東京生まれ。東京大学文学部英文科卒。パリ第8大学造型文化学科DEA課程修了。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻(表象文化論コース)博士課程修了(博士)。日本学術振興会特別研究員、ニューヨーク大学客員研究員、早稲田大学人間科学学術院助教などをへて、2014年に筑波大学日本語・日本文化学類准教授に着任。専門は、映画研究。2015年6月、逝去。享年40歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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