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ISBN 10 : 4864805075
Content Description
ドイツ人建築家ブルーノ・タウト(1880−1938)は、1933年に来日し、約3年半日本に滞在した。それ以前のタウトは、自然や宇宙に向き合い、色彩豊かで使い易い設計デザインを提唱し、ベルリンを中心に多くの住宅作品を残していた。一方、日本ではほとんど建築の仕事に恵まれない中、高崎の工芸指導所において専門外の工芸品製作に取り組む機会を得る。地場の素材と伝統技術の積極的な活用の上に、デザインという手法を初めて執り入れたタウトは、漆工、木工、竹工、染織など、わずかな期間に数百点以上の工芸品を生み出した。それらは、実用的で無駄がなく、質素な美しさがあった。タウトは、風土に残る純粋なものを愛する、という自身の明確な価値観を建築のみならず工芸分野にも応用しようとしたのではないか。
本書では、まずタウトデザインの工芸品を、益永研司氏の撮りおろしの図版でたっぷりと紹介。タウトの建築になぞらえて、鮮やかな色彩空間で捉えた工芸品の数々は、これまでとは違う新たな表情を醸し出す。また、日本で唯一の弟子とも呼ばれた故水原徳言氏が記した文章を、当時の記録写真や解説を交え掲載、タウトの日本滞在時の素顔や実情を細かく伝える。また、タウトの日記や記録などもひも解きながら、尊重していた日本文化とは何かも探る。さらに論考では、彼のベースとなる建築作品と貫かれた思想を紹介し、そこから見える工芸の世界観を詳らかにする。
当時の日本の工芸やデザインに一石を投じたタウトの視点に迫る一冊。
【目次】
ブルーノ・タウトの工芸作品/撮影:益永研司
建築家の休日/水原徳言(工芸家)
面影を求めて/意匠(剣持勇・隈研吾)、手技(谷進一郎)、再考(Mシュパイデル)ほか
ブルーノ・タウトの建築作品/田中辰明(お茶の水女子大学名誉教授)
タウトの工芸作品の実際と意味/庄子晃子(東北工業大学名誉教授)
【著者紹介】
庄子晃子 : 東北工業大学名誉教授・博士(学術)。1943年北九州市生まれ。1968年東北大学大学院文学研究科修士課程美術史学専攻修了、1978年ハイデルベルク大学美術史研究所留学。仙台でブルーノ・タウトが指導した照明器具の復元などに携わる。1999年論文博士の学位取得(千葉大学大学院自然科学研究科)、東北工業大学工学部工業意匠学科教授、国井喜太郎産業工芸賞、日本デザイン学会賞。2012年日本基礎造形学会功労賞。現在、宮城県教育委員会委員長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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takao
読了日:2023/01/17
ゆり
読了日:2014/05/05
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