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牟田口廉也 星海社新書

広中一成

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065127285
ISBN 10 : 4065127289
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

牟田口廉也は、インパール作戦を失敗に導いた陸軍司令官として知られている。だが、それのみを切り取って牟田口を「愚将」と断じてしまってよいのか。また、責任は彼個人のみに帰せられるべきなのか。本書は牟田口の軍歴を丹念に追うことで「愚将」像を再検討してゆく。参謀畑を歩んでいた牟田口を、支那駐屯軍に左遷せしめた二・二六事件とその後勃発した盧溝橋事件。「常勝将軍」の名を与えたシンガポール攻略作戦。そして、大本営の裁可のもとで発動されたインパール作戦。彼の軍歴の背景から、陸軍の異様な体質が浮かび上がる。不健全な人事、不可解な決裁…昭和陸軍という組織は、自ら「愚将」を生み出したのだ。

目次 : 第1章 エリート参謀からの転落(「葉隠」のもとに生まれる/ 佐賀と海軍 ほか)/ 第2章 日中戦争の火蓋を切る―盧溝橋事件(支那駐屯軍の増強と支那駐屯歩兵旅団の創設/ 綏遠事件 ほか)/ 第3章 「常勝将軍」の誕生―シンガポール島攻略作戦(中国戦線から太平洋戦線へ/ 叶わなかった陸軍中央復帰 ほか)/ 第4章 インパール作戦―敗戦の責任は誰にあったのか(ビルマルートの遮断をめぐって/ 第十五軍の創設とイギリスのビルマ防衛 ほか)/ おわりに インパール作戦の呪縛

【著者紹介】
広中一成 : 近現代史研究者。1978年、愛知県生まれ。2012年、愛知大学大学院中国研究科博士後期課程修了。博士(中国研究)。現在は愛知大学非常勤講師。近現代日中関係史、日中戦争史、中国傀儡政権史を専門とし、日中両国の資料を精緻に読み解く気鋭の研究者である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 山上徹也そっくりおじさん・寺

    毎年夏になると戦争の本を1つ読む事にしている。今年チョイスのこの本は大変意義のある本だ。太平洋戦争の軍人なんて、大概の人は伝記になっていると思っていた。マニアックな人だって光人社NF文庫あたりで出ていると思っていた。しかしこの牟田口廉也さんは、愚将の悪評が過ぎる為か、本書が唯一の伝記なのだ。しかももう絶版なのだ(笑)。店頭で見たらマストバイである。本書の他には幸福の科学・大川隆法総裁の『牟田口廉也の霊言』が何故かある(笑)。辻政信みたいな評判の悪い人でさえ、伝記はおろか著作の復刻まであるのに。つづく。

  • skunk_c

    この軍人の評伝というのがまず珍しい。ある意味この男ほど「愚将」の名をほしいままにしている人はいないから、まぁ良く書かれることはないだろうなと。東条英機にも同様な評価があるが、とにかく真面目だったようだ。感情的になると手が付けられないとか、強気一辺倒とか、この男の評価によく出る話も登場。しかし著者の立場は、この男を「愚将」に仕立て上げたものを明らかにすること。上官の河邊しかり、東条然り。しかし本書が暗に示しているのは、日本陸軍のあり方が牟田口を生み出したということではないか。組織、派閥争い、情実人事等。

  • サケ太

    日露戦争からその時代についての知識が欠けており、この本もTwitterでみて興味が湧いたくらいであった。牟田口廉也とは何者か。彼の生まれから、何故陸軍の道に進んだのか。牟田口は何故そこにいたのか。日中戦争は何故起こったのか。責任は牟田口だけのものなのか。責任感が強かった、真面目な男に押された「愚将」のレッテル。正しさはともかくとして、止められる人間はいたはずだった。当時の日本軍の組織の問題というのは、現代の会社組織にも繋がりそう。

  • 香菜子(かなこ・Kanako)

    牟田口廉也 「愚将」はいかにして生み出されたのか。広中 一成先生の著書。インパール作戦を失敗に導いたことで知られる牟田口廉也陸軍司令官。終戦記念日の時期になると毎年のように牟田口廉也陸軍司令官の名前が出てくる。牟田口廉也陸軍司令官が失敗したことは事実かもしれないけれどほかのだれかが牟田口廉也陸軍司令官と同じ立場にいたら失敗を防げたかどうかはだれにもわからない。インパール作戦を失敗に導いた牟田口廉也陸軍司令官に自分可愛さあまっての無責任な言動があったとすればそれは批判されても当然のことなのかも。

  • さとうしん

    インパール以前の牟田口の軍歴にかなりの紙幅を割かれている。二二六事件のあおりで左遷的に北京の前線勤務に回されて以来、「葉隠武士」的な性格の牟田口が、その時々の現場で「支那事変を引き起こしたのは自分であるからその埋め合わせをせねばならない」というような身勝手な責任感で職務に精励したことがインパール作戦につながっていくさまを描くと同時に、牟田口の上官河邊正三の対応や日本陸軍の人事自体も問題とする。不合理な人事によるミニインパールは今日の日本でもあちこちに見られるのでは思わせられる。

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