人種主義の歴史 岩波新書

平野千果子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784004319306
ISBN 10 : 4004319307
フォーマット
出版社
発行年月
2022年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
270p;18

内容詳細

「人種」という根拠なき考えに基づいて、人を差別・排除する。人種主義(レイシズム)はナショナリズムや植民地主義や反ユダヤ主義と結びつき、近代世界に計りしれぬ惨禍をもたらし、ヘイトスピーチ・黒人差別など、現代にも深い影を落としている。大航海時代から今日まで、その思想と実態を世界史的視座からとらえる入門書。

目次 : 序章 人種主義を問う/ 第1章 「他者」との遭遇―アメリカ世界からアフリカへ/ 第2章 啓蒙の時代―平等と不平等の揺らぎ/ 第3章 科学と大衆化の一九世紀―可視化される「優劣」/ 第4章 ナショナリズムの時代―顕在化する差異と差別/ 第5章 戦争の二〇世紀に/ 終章 再生産される人種主義

【著者紹介】
平野千果子 : 1958年、東京都生まれ。現在―武蔵大学人文学部教授。専攻―フランス植民地史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • skunk_c さん

    人種という概念を、植民地支配と奴隷を利用し始めた頃のヨーロッパ「白人」が、それを正当化するために生み出していった過程を追っている。「科学」の名の下に正当化を図るが、並べられているものを見ると、そこには客観性がなく、はじめから結論ありきで考えられている。そもそも「優越」しているとされるヨーロッパの人々にせよ、過去の歴史で様々な地域の人々との「交配」を重ねてきたわけで、そこをたどりきれないことは自明なのに、自らを優越視する(これは罪悪感のコインの裏面と思う)ために「人種」という概念を構築する執念には驚いた。

  • venturingbeyond さん

    大航海時代以降、西洋社会が外部世界と出会う中で構築され、差別を正当化する言説として、現代に至るまで人類を縛る人種主義の歴史を概観する一冊。あとがきに、編集者から「蛮勇を振るう」よう請われて書き始めたとあるように、自ら構想して執筆するには、その射程の広さゆえに尻込みして、手を着けようとは思いづらいテーマを、新書のボリュームに手堅くまとめてある。進歩・合理化という表の近代化の裏面に分かちがたく貼りつき、現代においても未だに克服困難な課題のままである人種主義の来歴を考える入口としてお薦めの一冊。

  • さとうしん さん

    「白人」「黒人」「ユダヤ人」などを例として見せることで、「人種」が科学の形を装いつつも、それぞれの「人種」の定義が、客観性がなく主観的で曖昧で、時に都合に合わせて定義や範囲が変化するものであることがわかる。モンテスキューの奴隷制、あるいはダーウィンの優生思想に関わる認識をめぐって議論があることは本書で初めて知った。本書は欧米での展開が中心だが、それを踏まえて最後に我々日本人の人種主義についても触れている。

  • kuukazoo さん

    種としての人は1つなので「人種」という区別は存在しないにも関わらず、あるかのように理論づけ、見た目の違いを優劣に置き換え、奴隷制や植民地化や偏見による差別を正当化してきた15世紀から現代に至る西洋の歴史を解説。『風と共に去りぬ』にもあったが、奴隷である黒人を憐れむことと同じ権利を持つ人間と認めることは全く違い、後者には自分達が侵害される恐怖や社会的な既得権を失うことへの怒りが伴う。なぜ差別がなくならないかといえば差別する側は自らを疑わないからで、それこそ人間共通の属性と思えてならない。とても勉強になった。

  • かんがく さん

    「人種」という概念がどのように生まれ、使われてきたのかを豊富な具体例とともに解説する良書。当時の人々の文章もたくさん引用されているため、過去の人々の人種に対する考えの変化を実感できる。

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