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ヤコブソン・コレクション 平凡社ライブラリー

平凡社

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784582768343
ISBN 10 : 4582768342
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ロシア・フォルマリズムから構造主義・文化記号論、そして、具体性に裏打ちされた脱領域的言語科学へ。「惰性化した日常生活」を痛罵し、つねに「新しいもの」を求め、挑発的論考を発表しつづけた批判精神。一般言語学、比較対照言語学、音韻論、詩学、文学研究、記号論、フォークロア、神話学、失語症、児童言語…、多岐にわたるヤコブソンの知の懐に遊び、生涯アヴァンギャルドたるその気概を知る最良の一冊。

目次 : 詩人たちを浪費した世代/ プーシキンの象徴体系における彫像/ 言語の二つの面と失語症の二つのタイプ/ 言語学と詩学/ 翻訳の言語学的側面について/ 言語学的意味論の問題/ 言語の本質の探究/ 人間言語の基本的特徴/ ゼロ記号/ なぜ「ママ」と「パパ」なのか/ アインシュタインと言語科学

【著者紹介】
ロマン・ヤコブソン : 1896‐1982。20世紀を代表する言語学者のひとり。モスクワ生。モスクワ大学在学中にボガトゥイリョフらとモスクワ言語学サークルを結成。ペテルブルグのオポヤズ(詩的言語研究会)と連携し、のちにロシア・フォルマリズムと呼ばれる詩学運動を展開。同時代のロシア・アヴァンギャルド芸術運動とも深くかかわり、自身も超意味言語による詩を書く。1920‐39年はチェコスロヴァキア滞在。26年にはプラハ言語学サークルをトゥルベツコイ、マテジウス、ムカジョフスキーらと結成、機能構造主義言語学を発展させる

桑野隆 : 1947年生。早稲田大学教授。専攻はロシアの文化・思想

朝妻恵里子 : 慶應義塾大学専任講師。専攻は言語学、記号論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • しゅん

    11の論考のうち、「言語学と詩学」は特に学ぶところが多かった。言語の構成要因を送り手・受け手・コンテクスト・コード・接触・メッセージの6つに分け、そのうちのメッセージだけに特化されたものが詩だと定義する論旨が鮮やかだし、後に続くポーやエリオット、ロシア詩の分析も含めて、詩と言語学を同時に読み手へと近づけてくれる非常に優れた論考だった。専門用語も多く、全体的にはかなり読みにくかったが、言語学と文学は絶対に切り離せないもので、両方学ばなければ片手落ちだというヤコブソンの主張と情熱は強く伝わってきた。

  • またの名

    昨晩は隣人と過ごしたと英語で言って「それは男性ですか、女性ですか」と学生が聞いても言語学的に「大きなお世話です」と答える権利を有するが、女か男かを明示する露・仏・独語では不可能等と説明。ユーモラスな研究精神を持ちつつ詩にも関心が高かったヤコブソンは言語学者として、失語症論にまで取り組む。「犬、高い、笑って、宇宙、夏の夢、火曜日…」と独立した語が連続する近接性障害を隠喩的で詩に近く、「だから私のこう思うところのそれでは、なんともアレが大変なものでどうにも」と独立語が現れない類似性障害を換喩的で散文風と説明。

  • roughfractus02

    50年(1931-1980)にわたる言語学に関する著者の11編の論文がセレクトされた本書は、米国亡命後の1940年代が空白になっている。伝記ではレヴィ=ストロースの出会うこの時期は、構造言語学から情報理論へ展開を始める時期と重なる。本書は、言語を音素から捉え、ビット単位の弁別素性で発信者-受信者間に二軸理論的構造を展開する展著者が、後期に沈黙や余白を表す「ゼロ記号」や言語イメージを持たないアインシュタインの物理学的発想に面して、言語と情報の違いを意識し、さらに両者とも異なる物理世界に対峙するように思える。

  • pon

    詩を読むなら読んで損はないのでは。

  • ちょっかん

    ヤコブソンに関してはこの前、ホーレンシュタインの現象学的構造主義を読んだが、内容が難解且つ概説的であったため、またヤコブソンの著した各論考も読みたいと思い、本書に手を出した。マヤコフスキに基づき、ロシア文学におけるбыт(日常)に関する既存の解釈への批判や文学における構造主義の適用、詩学の研究必要性はとても参考になった。ロシア語やロシア文学について関心があると、全体を通して非常に興味深い内容となっており、ロシア語学ひいてはスラヴ語学において、ヤコブソンが寄与した功績はとても大きいと再認識した。

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