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増えるものたちの進化生物学 ちくまプリマー新書

市橋伯一

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480684462
ISBN 10 : 4480684468
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2023
Japan

Content Description

生命と非生命をわけるもの、それは「増える」ことである。増えて遺伝する能力は生物を進化させ、繁栄をもたらし、やがて私たち人間に自由と生きる喜びを与えるとともに尽きることのない不安や迷いを植え付けることとなった。生の悩みから生命の起源と未来を見つける知的間答の書。

目次 : 第1章 なぜ生きているのか(私たちは何のために生きているのか/ 祖先へさかのぼる「望み」の連鎖 ほか)/ 第2章 なぜ死にたくないのか(なぜ生きているとこんなに悩みが多いのか/ 増え方の戦略は大きく分けて2つ ほか)/ 第3章 なぜ他人が気になるのか(長生きによって他の個体との付き合いが生まれる/ 他の個体との付き合い方のケース ほか)/ 第4章 なぜ性があるのか(自分以外に異性を見つける必要/ 生物によって違う性のありかた ほか)/ 第5章 何のために生まれてきたのか(不老不死が実現する人類の未来/ 私たちは幸せになれるのか ほか)

【著者紹介】
市橋伯一 : 1978年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科・先進科学研究機構・生物普遍性研究機構教授。専門は進化合成生物学。2006年東京大学大学院博士課程修了(薬学)、JST ERATO研究員、大阪大学大学院情報科学研究科准教授を経て、2019年より現職。試験管内で生命を模した分子システムを構築することにより、生命の起源と進化を理解しようとしている。遺伝情報を持ち、進化する分子複製システムを世界で初めて構築した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • まーくん

    生命。そもそもの始まりは、増えて進化するものの出現であるが、「増える能力を持った物質が生物になった」と言うほうが正確。最初の物質はRNA(現時点で最有力)でも別の物質でも構わない。増えて遺伝する能力を持った物質がひとたび出現すると進化現象がおそらく起きる。生命の誕生は増える性質が引き起こす物理現象。― 実に急所を突いた説明だと思いました。増え方の戦略としては、細菌など単細胞生物の短い時間で世代交代を繰り返す「多産多死」と「少産少死」の二つあり、人間は究極の「少産少死」で寿命も長い。→

  • ホークス

    2023年刊。進化のカラクリを身も蓋もなく解説した上で、そこから人間について考える。命をつなぐ戦略は多産多死と少産少死の二つ。人間は少産少子で、かつ群れの中で助け合う生物。本能として自分と仲間の命を大切にするよう進化したが、個々が欲求を追えるだけの思考力も得た。結果、本能と欲求の板挟みが重い悩みとなる。このまとめ方は面白い。著者は、各自が本能と程よく距離をとって生きるよう勧める。人間が他の生物と違うのは芸術や文化。そこに人間ならではの道がある。人間はもう、楽しくなくては生きていけないのだろうと思う。

  • おせきはん

    生物がそれぞれにつくり出した生存、進化、遺伝のメカニズムの奥深さに触れ、日々、生活を送る中で悩むことにも相応の理由があるとわかりました。生きていること自体に価値があるのですね。生きることについて科学的にも哲学的にも考えられる、刺激的な読書体験ができました。

  • りょうみや

    生物は増える能力をもった物理現象として捉えてそこからなぜ死にたくないのか、他人を気にするのか、何のために生まれてきたのかなどの問いに考えていく。遺伝学、進化学、進化心理学の内容を多分中学生にも理解できるくらい分かりやすくまとめている。そのうち息子にも勧めたい一冊。

  • むた

    所詮は僕らアニマルなんです、の先のめちゃくちゃ深い話。それがすごく平易な言葉で書かれていてありがたい。増える能力を獲得した物質が生物となり、人間は増えるものの末裔として現代を生きている。人間の主たる悩みのほとんどは、増えるものだからこその苦悩なのだと筆者は言う。ここに書かれているのは進化生物学であり、ヒトが有史以来考え続けてきた「なぜ生きるのか」を説いた哲学でもあると感じた。おれがこういう話が大好きなのはやはり増えるものの末裔だからなのかな。

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