ボーンヤードは語らない

市川憂人

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784488028404
ISBN 10 : 4488028403
フォーマット
出版社
発行年月
2021年06月
日本
追加情報
:
320p;20

内容詳細

U国A州の空軍基地にある『飛行機の墓場』で、兵士の変死体が発見された。謎めいた死の状況、浮かび上がる軍用機部品の横流し疑惑。空軍少佐のジョンは、士官候補生時代のある心残りから、フラッグスタッフ署の刑事・マリアと漣へ非公式に事件解決への協力を依頼する。実は引き受けたマリアたちの胸中にも、それぞれの過去―若き日に対峙した事件への、苦い後悔があった。高校生の漣が遭遇した、雪密室の殺人。ハイスクール時代のマリアが挑んだ、雨の夜の墜落事件の謎。そして、過去の後悔から刑事となったマリアと漣がバディを組んだ、“始まりの事件”とは?大人気シリーズ第四弾は、主要キャラクターたちの過去を描いた初の短編集!

【著者紹介】
市川憂人 : 1976年神奈川県生まれ。東京大学卒。在学時は文芸サークル・東京大学新月お茶の会に所属。2016年、『ジェリーフィッシュは凍らない』で第26回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。同作は各種年末ミステリベストにランクインし、話題を呼んだ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • しんたろー さん

    シリーズ4作目は、マリアに何かと利用される役回りだがイイ味だしている少佐・ジョンを主人公にした短編に始まり、漣の高校時代の切ない事件、マリアの高校時代の哀しい事件、2人が初コンビを組んだ事件の4つの話…不可解な事件を解きながら、彼らの過去が浮き彫りになるファンに嬉しい内容で、益々彼らが好きになった。前3作のような奇抜で新鮮な驚きはないが、本格ミステリ風の味付けで充分に楽しませてくれた。テンポ良い展開と笑いを織り交ぜた会話がこのシリーズの魅力だが、二人の裏付けを描き心情を加味した事で次作の期待値も上がった⤴

  • 麦ちゃんの下僕 さん

    第1話はジョン・第2話は漣・第3話はマリアの“過去”に触れる事件を…そして最終話は「マリア&漣」コンビが初めて挑んだ事件を描く、シリーズ初の短編集。各話とも登場人物が少ないので、“フーダニット”の面白さはありませんが(苦笑)…2話&3話の“ハウダニット”はかなりハイレベルで、読み応え充分でしたし…1話&最終話は“ホワットダニット”で読者を魅了するなかなか珍しい作品だと思いました。ミステリーとしては楽しめるものの、各話とも内容が陰鬱ですので読むのに息苦しさを感じることもしばしば…でも読後感は良かったです。

  • nobby さん

    なるほど!この構成は上手い!シリーズ第4弾は短編集。ジェリーフィッシュ後にあたる表題作でのマリア&漣との再会に「ああ、こんな感じ♬」と懐かしむ(笑)続いて赤鉛筆とレッドデビルな2篇で描かれる2人の過去エピソードのテーマは「どうして警察官になったのか?」各々のキャラらしく冷静沈着な推理と情熱的な奔放ぶりを堪能しながら、気付けば素晴らしく打たれた布石に感嘆!満を持して最終篇で為される2人の融合にまたニヤリ。最初は軽蔑し合いながらも徐々に認め惹かれ合う様子が微笑ましい。憎きアイツの征伐と思った自分は置いといて…

  • みっちゃん さん

    これは面白いや。あの気が合ってるんだか合ってないんだかわからないコンビ、マリアと漣の来し方と出会いが描かれた短編集。何故「あたしたちは警察官になった」のか。それぞれが重いものを背負いながら、でも「今度こそ傷ついた誰かを救えるように」優れた観察眼と直感力。そして素直じゃない態度からも見え隠れする優しき心と揺るぎない正義感。最終話のラストから第1作の事件に戻る、その構成も好ましい。

  • モルク さん

    マリアと漣のコンビシリーズ第4弾。@空軍基地にある飛行機の墓場(ボーンヤード)で見つかった兵士の死体A漣が高校生の時先輩の家で起こった密室殺人Bマリアのハイスクール時代の親友の転落死。アメリカ社会での歪な差別Cマリアと漣が初めて組んだ虐待事件の4話からなる短編集。このデコボココンビが誕生したのは必然だったと思わせる、とてもいい構成だ。そしてやはり弱者が虐げられる話は辛い。クールな漣と破天荒なマリア、それだけではないこともわかり魅力を再発見。このシリーズ、もっと続くといいな。

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人物・団体紹介

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市川憂人

1976年、神奈川県生まれ。東京大学卒業。2016年『ジェリーフィッシュは凍らない』で、第26回鮎川哲也賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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