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飛鳥の木簡 中公新書

市大樹

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121021687
ISBN 10 : 4121021681
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2012
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
市大樹 ,  

Content Description

かつて日本古代史は、『日本書紀』『古事記』や中国の史書に頼らざるを得なかった。だが一九九〇年代後半以降、三万点以上に及ぶ飛鳥時代の木簡の出土が相次ぎ、新たな解明が進み始める。本書は、大化改新、中国・朝鮮半島との関係、藤原京造営、そして律令制の成立時期など、日本最古の木簡から新たに浮かび上がった史実、「郡評論争」など文献史料をめぐる議論の決着など、木簡解読によって書き替えられた歴史を描く。

目次 : 序章 一三〇〇年の時を超えて/ 第1章 日本最古の木簡(紀年銘木簡から探る/ 考古学的見地から探る/ 日本における木簡使用の始まり)/ 第2章 大化改新はあったのか(「乙丑年」荷札木簡の衝撃/ 荷札木簡からみた「国―評―五十戸」制)/ 第3章 天武天皇と持統天皇の王宮(日本最古の暦/ 石神遺跡の性格/ 飛鳥浄御原宮の姿)/ 第4章 飛鳥の総合工房(富本銭を鋳造した攻防/ 飛鳥池工房の性格)/ 第5章 飛鳥寺の多彩な活動―日本最古の寺院の姿(飛鳥寺と道昭/ 宗教・医療・経済活動)/ 第6章 藤原京の誕生(長い造営工事藤原京の街並み/ 都市問題の発生と信仰)/ 第7章 日本古代国家の転換点―大宝律令制定の波紋(一三〇〇年後の大発見/ 画期としての七〇一年)/ 終章 「飛鳥の木簡」の意義

【著者紹介】
市大樹 : 1971(昭和46)年愛知県生まれ。2000年大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得退学(2001年、文学博士)。01年から奈良文化財研究所研究員・主任研究員として発掘調査・木簡整理に従事。09年大阪大学大学院文学研究科准教授。12年第8回日本学術振興会賞・第8回日本学士院学術奨励賞受賞。日本古代史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • Shoji

    木簡は嘘偽りのない極めて信憑性の高い史料である。古代人のメモ書であり、用済みになれば捨てられる。それに対して、正史と言われる日本書紀や続日本紀は政治色に満ちて編纂された可能性があり、高等な史料批判から始めねばならない。常識と言えば常識だが、改めて木簡の意義を認識した。ちなみに、用を足した後、使わなくなった木簡をヘラの様に使ってお尻を拭いたとか。その名もクソベラ。古代研究とはなんとも奥深いことよ。

  • 南北

    木簡とは文字の書かれた木片のことだが、日本の木簡は38万点あり、日本古代史に新たな光を当てるものと言える。特に日本書紀では「国−郡−里など」となっている行政区域が木簡では700年まで「国−評−五十戸」と記載されていることがわかり、いわゆる「郡評論争」を決着させることになった点は興味深く読むことができた。大化の改新の「改新の詔」でも「国−郡−里」の表記となっていて、今後はなぜ日本書紀が資料の書き換えを行ったのかを解明する必要が出てくることになろう。考古学の発掘資料が大きな影響を与えることがわかる好著。

  • 月をみるもの

    この本で扱われている木簡の多くは、飛鳥のみならず藤原京(ほとんどは橿原市)から出土している。出土した木簡上の文字を読む時、そこで考古学と文献史学が出会う。どちらかだけでは決してわからないことが、両者の融合によって解き明かされる。

  • take5

    内容は書名通りで、1990年代後半以降の発掘調査(著者が携わったものも)により飛鳥と藤原京跡から大量に木簡が出土したそうで(2011年現在で4万5千点)、それ以前に発掘された木簡も含めた、飛鳥時代の木簡について一般読者にも分かりやすく解説されている良書です(文字表記(一部写真付き)と共に各種木簡が紹介されていて、その当時の役人や工人の姿が垣間見え、飛鳥時代や『万葉集』に興味のある私にとっては読みどころ満載でした(付箋紙100箇所くらい貼ってしまった^^;本屋などで口絵3の「役人の顔を画いた墨画」だけでも

  • はちめ

    木簡の発掘により様々な知見が得られていることは知っていたが、まとまった本を読んだのは初めて。木簡は誤字を除けば真実を伝える一次資料だけに、上手に読みとけば当時の社会の実態に迫れるということが良く分かる。本書は2012年の出版だが、その後も木簡の発掘は続いていると思うので、続編も期待したい。☆☆☆☆

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