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ケアの社会倫理学 医療・看護・介護・教育をつなぐ

川本隆史

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784641280977
ISBN 10 : 4641280975
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2005
Japan

Content Description

医療・看護・介護の営みを「ケア」という視角から批判的かつ統一的に把握し、新しい論点を提示。さらに従来の「生命倫理」の教育を反省し、従来の生命倫理学の枠組みを超える「ケアの社会倫理学」を提起。

【著者紹介】
川本隆史 : 1951年、広島市生まれ。1975年、東京大学文学部倫理学科卒。1980年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程を単位取得退学。1997年、東京大学より博士(文学)学位取得。跡見学園女子大学文学部、東北大学文学部を経て、2004年度より東京大学大学院教育学研究科の教員。専門は社会倫理学と応用倫理学。ロールズとギリガンから受けた衝撃をバネにして、正義とケアを兼ね備えた社会のあり方を構想する。また日米両国の原爆をめぐる「記憶」の歪み・偏りを正す作業を「記憶のケア」と名づけ、それを通じて「記憶の共有」にいたる理路を探っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 小鈴

    川本隆史「序章《ケアの社会倫理学》への招待」[1ー45]読了。私の中で著者は正義論の人であったが情報更新。著者はギリガン『もう一つの声』で衝撃を受けケアの倫理へと道を開く。「「ケアの倫理」は「正義の倫理」(道徳の問題は諸権利の競合から生じるものであるかえあ、公平な裁判官のような形式的・抽象的な思考でもって諸権利に正しい優先順位を割り当てることで解決するべきだ、という立場)の対極にあって、葛藤状態にある複数の責任と人間関係のネットワークを重んじ、「文脈=情況を踏まえた物語り的な思考様式」」2。

  • いしはたたかし(いっしー)

    「ケアの倫理」に興味があって手に取ったのだが、ギリガンに関する記述は少なく、その点ではやや期待はずれであった。しかし、生命倫理の論文集としてはとても面白い。執筆者での意見の相違が調整されることなくそのままにされており、特に第7章の三好論文とコラム2の大熊論文では老人ホームの部屋割り問題について間逆の主張がなされていたりして、とても興味がそそられた。

  • regacian

    フィールドに携わる実践者と研究者の論考によって構成される本。医療パターナリズムへの批判が当時広く共有されていたことを感じることが出来た。医療中心から人間中心へという旗印の下、全人的ケアやインフォームド・コンセントなどが進んだが、それが形式的・機械的なものになっているのではないかという反省も見られる。各章で毛色が違うが、看護者にケアのしわ寄せがきていることを議論している5章、アメリカでの生命倫理が浸透する経緯を追った10章は特に興味深かった。「はじめに」で各章への編者コメントがあるのも参考になった。

  • madofrapunzel

    ★★★★★ 本書は概説書の役割を果たしているため、具体的な解決策をどかーんと提示したりしているわけではない。しかし…。この本が発刊されたのは2005年、まだ10年と経っていない。しかし、これが学知の現状である。第二章の「看護とケア」の2論文では、特に考えさせられることが多かった。ケア概念は始まったばかりだ。

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