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在日米軍基地 米軍と国連軍、「2つの顔」の80年史 中公新書

川名晋史

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121027894
ISBN 10 : 4121027892
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

世界で最も多くの米軍基地を抱え、米兵が駐留する日本。米軍のみならず、終戦後一貫して友軍の「国連軍」も駐留する。なぜ、いつから基地大国になったのか。米軍の裏の顔である国連軍とは。本書は新発見の史料をふまえ、占領期から朝鮮戦争、安保改定、沖縄返還、冷戦終結、現代の普天間移設問題まで、基地と日米関係の軌跡を追う。「日本は基地を提供し、米国は防衛する」という通説を覆し、特異な実態を解明。戦後史を描き直す。

目次 : 第1章 占領と基地―忘れられた英連邦軍/ 第2章 朝鮮戦争―日米安保と国連軍地位協定/ 第3章 安保改定と国連軍/ 第4章 基地問題の転回と「日本防衛」/ 第5章 在日国連軍の解体危機/ 第6章 普天間と辺野古―二つの仮説/ 第7章 準多国間同盟の胎動/ 終章 二つの顔

【著者紹介】
川名晋史 : 1979年北海道生まれ。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。専門は、米国の海外基地政策。博士(国際政治学)。青山学院大学大学院国際政治経済学研究科博士後期課程修了。著書、『基地の政治学―戦後米国の海外基地拡大政策の起源』(白桃書房、2012年、佐伯喜一賞)、『基地の消長1968‐1973―日本本土の米軍基地「撤退」政策』(勁草書房、2020年、猪木正道賞特別賞)、編著、『共振する国際政治学と地域研究―基地、紛争、秩序』(勁草書房、2019年、手島精一記念研究賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • skunk_c

    在日米軍基地の実態を明らかにする本ではなく、基地の「あり方」を論じた本。本書の最も重要な点は、日本にある主要な米軍基地のいくつかが国連軍の基地に指定されていて、別個に地位協定まで作られていることの指摘だろう。そしてその意味合いは極めて深く、現在・将来の基地の「あり方」に大きな影響を与えている。基地問題を論じるときにはこの問題を避けて通ることはできないことが理解できた。鳩山政権崩壊の一因が、彼が普天間基地が国連軍の基地という事実(つまり国外=アメリカには移転できない)を知らなかったからという仮説は興味深い。

  • 風に吹かれて

    戦後、1945年の米軍に続き、1946年に英連邦占領軍(BCOF)が日本上陸。順次撤退。1950年、最後に豪州が撤退を決定するが、撤退前に朝鮮戦争勃発、豪州は朝鮮戦争へ軍隊投入。国連安保理決議により加盟国に対し合衆国の司令部への兵力などの援助提供を勧告、東京に国連軍司令部設置、16カ国が参加。1951年、サンフランシスコ平和条約及び旧日米安保条約調印、1953年朝鮮戦争休戦、そして、国連軍を引き続きいつでも機能できるように関係国との国連軍地位協定の署名がおこなわれ1954年、国連軍地位協定発効……。 →

  • 紙狸

    2024年1月刊行。在日米軍基地の一部は、国連軍の後方基地でもある。起源は朝鮮戦争にある。米軍主体の国連軍が韓国を救った。米国と日本は、国連軍地位協定も結んで、国連軍加盟国も在日米軍基地を使えるようにした。実際、近年では英国軍やオーストラリア軍が、国連軍としての地位を利用して日本と安全保障分野での協力を深めている。この本が国連軍基地を広く紹介したのは意義がある。気になるのは、有事に米国が日本を守るのかどうかの議論が浅いこと。条約とその解釈を分析するだけでは一面的に過ぎる。同盟関係はもっと多面的だ。

  • nagoyan

    在日米軍基地基地という書名から想像されがちな所謂「基地問題」を扱ったものではない。僕らは、朝鮮国連軍の存在を歴史としては知っていても、米軍とは、異なった在り方で日本に駐留して居続けているとは想像もしないだろう。現在も日本にいることに認識がないか、さまなくば、在日米軍の別名に過ぎないと誤認しているかのいずれかではないか。本書は、国連軍地位協定の存在に注意を向ける。国連軍地位協定は、安保条約と日米地位協定とは別個に存在し、その特権は安保体制下の米軍を凌ぐ。

  • nishiyan

    占領期から現代に至るまでの在日米軍基地の歴史を紐解きながら、米軍基地でありながら朝鮮戦争で結成された国連軍の基地でもあるという二つの側面を描いたことで、日本の安全保障の根幹を論じた新書。基地問題が解決しない理由は米国との関係だけではなく、国連軍基地であることにも言及した点は興味深い。日米地位協定に比べて認知度が低い、国連軍地位協定の存在だけでなく、問題点の多さには驚かされた。朝鮮有事や台湾有事の際には基地がどのような使われ方をするのか考えると肝が冷える。更なる在日国連軍の研究の進展が求まられるだろう。

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