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イギリス繁栄のあとさき 講談社学術文庫

川北稔

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062922241
ISBN 10 : 406292224X
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2014
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
川北稔 ,  

Content Description

今日、イギリスから学ぶべきは、勃興の理由ではなく、成熟期以後の経済のあり方と、衰退の中身である―。産業革命を支えたカリブ海の砂糖プランテーション。資本主義を狙ったジェントルマンの非合理性。英語、生活様式という文化遺産…。世界システム論を日本に紹介した碩学が、大英帝国の内側を解き、歴史における「衰退」を考えるエッセイ。

目次 : 第1章 近代世界システムのなかのイギリス(オランダからイギリスへ/ 砂糖入り紅茶と産業革命 ほか)/ 第2章 「ジェントルマン資本主義」の内側(経済合理主義の落し穴/ 時短のゆくえ ほか)/ 第3章 文化の輸出と輸入(大英帝国の「日の名残り」/ 生活文化の輸出国へ ほか)/ 第4章 ヘゲモニーの衰退はどのようにして起こるか(オランダのヘゲモニーの衰退/ 「イギリスいまだ衰退せず」 ほか)

【著者紹介】
川北稔 : 1940年大阪市生まれ。京都大学文学部卒業。同大学大学院文学研究科博士課程中退。文学博士。現在、大阪大学名誉教授。佛教大学特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • WATA

    「世界システム論」という考え方を基礎として、イギリスの繁栄と衰退を考察した論説。イギリス産業革命の時代は世界が壮大な分業体制を構築していく時代であり、イギリスの工業化がインドや中南米の「低開発化」、言い換えれば奴隷制度などによる農業化を引き起こした、という世界システム論の考え方は私には新鮮だった。また、高度に工業化されて世界の中心になった国・地域は、実はもともと大規模な農業に適さない場所であり、「低開発化」のための投資を逃れた場所である、という歴史の捉え方も面白い。

  • 崩紫サロメ

    イギリスの繁栄とその翳りを、今の日本(1995年)から眺めるというものだが、川北稔の著書なので、当然。ウォーラーステインの「世界システム論」をベースとしている。発展段階論的な見方を否定し、どこかが「中核」となって繁栄すれば別の地域が「周辺」として低開発におかれる、という捉え方を提示したウォーラーステインについての入門書として読むこともできる。ジェントルマン資本主義など、イギリス史の基本概念を知るための良書。第三章「文化の輸出と輸入」など、具体的な話も面白い。

  • ちぃ

    イギリスが大国となった理由は産業革命と信じられていたけどそれは過程によって起きた一現象にすぎず、むしろ本質的な原因は有閑階級の間に飲茶などの趣味や学問などの文化活動が広まったことにある。人口過剰となったロンドンから人は砂糖や新天地開拓のために出て行き、それが大英帝国としての地位を固めた。日本がアジア諸国に一足先駆けて近代化を果たした理由に封建制が関係するとの見方もあるが最近はアジア諸国も成長目覚ましい。そもそも発達の基準と言うのも欧州式。一国史観に基づく発達段階論が廃れたようにものさしを見直す必要がある。

  • あなほりふくろう

    川北氏3冊目。先日(8/29)孫正義氏「日本がモノ作り産業で競争力を取り戻せる日は二度と来ない」との発言があったが、ウィリアム・ペティの法則をいっているのだなと理解できるようになっていた自分が嬉しい。それはともかく、近代世界システムの概要を近代史講義より深いところで学ぶことができたし、「衰退」というものを考察したうえでアジアの勃興とこれからの新しい仕組み、日本の在り方についての考察、意見は非常に興味深いものだった。

  • kei-zu

    「砂糖の世界史」(岩波ジュニア新書)ほか著者の世界システム論は何冊か読んでいたので、著者の専門である英国史を解説する本書では理解を深めることができた。産業革命の位置づけの見直しの動向や、英国では古くから核家族化が進行していたなどの紹介が興味深い。本書の刊行は90年代。雇用を重視しない姿勢への批判的な目線など、近年の我が国の動向を見通すような指摘も。良書。

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