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数学する人生 新潮文庫

岡潔

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101012513
ISBN 10 : 4101012512
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

日本が誇る世界的数学者にして、畑仕事と研究だけに没頭した孤高の人―。数学の枠にとどまらない、その思想エッセンスを余すところなく一冊に凝縮。「人は本来、物質的自然の中に住んでいるのではなくて、魚が水の中に住んでいるように、心の中に住んでいます」と語る哲学的にして詩的な世界観を、小林秀雄賞を最年少で受賞し、岡に私淑する俊英の編集により完全再現した驚異的選集。

目次 : 1 最終講義(懐かしさと喜びの自然学)/ 2 学んだ日々(私の歩んだ道/ ラテン文化とともに/ 中谷治宇二郎君の思い出)/ 3 情緒とはなにか(絵画/ こころ ほか)/ 4 数学と人生(世間と交渉を持たない/ 勝手気まま食 ほか)

【著者紹介】
岡潔 : 1901‐1978。大阪生れ。日本数学史上最大の数学者。1925(大正14)年、京都帝大卒業と同時に講師に就任、以降、広島文理科大、北大、奈良女子大で教鞭をとる。多変数解析函数論において世界中の数学者が挫折した「三つの大問題」を一人ですべて解決した。’60(昭和35)年、文化勲章受章

森田真生 : 1985(昭和60)年東京都生れ。独立研究者。東京大学理学部数学科を卒業後、独立。現在は京都に拠点を構えて研究を続けるかたわら、国内外で「数学の演奏会」「大人のための数学講座」「数学ブックトーク」などのライブ活動を行っている。2015(平成27)年、初の著書『数学する身体』で、小林秀雄賞を最年少で受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • やいっち

    「春宵十話」は、高一の中間テスト後の解放感で読んだ。数学に憧れていたピークでもあった。これだけの天才となると、俗っ気が抜けて仙人の域。数学は、理系の極とされる。だが、数学は物理学などと並ぶものだろうか? 物理学者の中には最後まで進路の選択肢に数学があった方も少なからず。岡氏の発想や生き方などを観ると、宗教家とまでは言わないとしても、芸術家じゃないかと思えてしまう。美的センスの極みが数学の世界を切り拓くのだろう。付言すると、「春宵十話」はある意味 我輩に数学することを諦めさせた忘れがたき本なのである。

  • バイクやろうpart2

    岡潔さん作品1冊目です。この本を手にするまで "日本数字史上最高の数学者" とは、いざ知らず日本人ながら恥ずかしく思いました。作者さんの多変量解析は、学生時分、ずいぶん利用したので、少しだけ親近感湧きながら読ませて頂きました。数学者なのでカチカチの文章かと思いきや、なんとも柔らかい温かみある文面で入り込み易かったです。が、天才的な数学者さんです。『定義』を徹底して追求される姿が、凡人には少々難解でした。あらためて目に映る事象を、先入観持たずフラットに考えることの必要性を感じた一冊です。

  • えーた

    前人未到の業績を残した日本の大数学者・岡潔のエッセイ・講義録などを収めた一冊。「数学する」というタイトルとは裏腹に数式などには一切言及することなく、代わりに道元・芭蕉・芥川等をヒントに非常に形而上学的かつ幽遠な思想が開陳されている。これはね、私のごく個人的な意見なのですけど、所謂「引き寄せの法則」のような本を普段よく読まれている方なら岡氏の考え方がスッと、頭と心に入ってくるのではないかと思う。また、この本の責任編集者・森田真生氏による解説が大変素晴らしい。これだけでも手に取って本当に良かったと思いました。

  • マリリン

    最初の写真が何とも言えず良い。数学者である岡潔の講義から始まる本書を読み、生活の全てから岡のいう情が伝わってくる。右の内耳に関心を集めると情緒がわかるという。無明・不生不滅と数学と関係ないような話であるが、数学をこのような視点からも研究していたのかと思うと、岡潔という人間そのものがとても魅力的に思えてならない。『博士の愛した数式』を読み、数式が美しいと感じたのは数学の根底にあるものが、岡の思想にあるものと通じるからなのだろうか。岡曰く、数式で心を表現する…。一生、二生、三生…良い言葉だ。焦りが消える。→

  • Y2K☮

    全てはひとつ。情と情趣は世界と自分、樹木と葉の関係性。自他を分けない。エゴを克服した先の真我。喜怒哀楽からも距離を取る。俗物!世間体だ!というお叱りの声が頭に焼き付いた。ご結婚されてお子さんが三人もおられて、それでも大学を離れ、講師職で糊口を凌ぎつつ研究に没頭した。編者の森田真生はどんなに忙しくても午前中は必ず数学に使うと云っていたが、岡潔もそうらしい。私も今は朝に書く事が多い(たまに夜に書くといい刺激になる)。何かのためじゃない。好きだから打ち込む。必要なのは紙と鉛筆といくらかの本。確かにそれで十分だ。

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