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日中関係史 「政冷経熱」の千五百年 Php新書

岡本隆司

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784569826523
ISBN 10 : 4569826520
Format
Books
Publisher
PHP
Release Date
August/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

日中関係は、古来ほぼ疎遠であった。経済的な交流は盛んでも、相互理解は進まなかった。遣唐史とは、少なくとも中国の側からすれば「敗戦国」からの朝貢使節に過ぎず、この時代、日本は東アジアから隔絶していた。中国からの影響も、きわめて選択的な受容にとどまっている。元寇以降、中国北方とは政治軍事中心の、南方とは経済・文化中心の関係となった。その後、日本は寺子屋で漢文を庶民に教えるなど「漢語化」するが、中国文化を全面的に信頼することはなく、中国も日本から学んだ時期があったが、その理解は表面的なものだった。気鋭の歴史学者が描く、新たな日中関係史。

目次 : 1 黎明―「日出づる処」と「日没する処」(隋唐以前/ 遣唐使の時代―孤立する日本 ほか)/ 2 深化と矛盾―「倭寇」と明朝(「一四世紀の危機」から「朝貢一元体制」へ/ 東アジア秩序の再編 ほか)/ 3 平和と疎遠―清朝と「鎖国」(日中政権の変容/ 清朝・朝鮮の関係と日本 ほか)/ 4 世界秩序の転回―一九世紀(近代前夜の風景/ 「西洋の衝撃」を受けて ほか)/ 5 険しい時代―二〇世紀前半(従属してゆく中国/ 善隣の時代 ほか)

【著者紹介】
岡本隆司 : 1965年生まれ。京都府立大学大学部准教授。専門は近代中国史、東アジア国際関係史。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学、博士(文学)。宮崎大学講師・助教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ピオリーヌ

    日本にとって中国は常に身近な大国であり、あらゆることに多大な影響を受けてきた。にもかかわらず親密だ、似ていると勘違いしていないだろうかと著者は警鐘を鳴らす。実際の両国は古来ほぼ疎遠な関係であり、我々は驚くほど中国のことを知らないし、そのことにも気づいていない。そこでまず相手に対する「完全な認識」を目指すべきだと続ける。歴史に興味のない人も皆読んでほしい。

  • in medio tutissimus ibis.

    憧れは理解から最も遠い感情だよ(要約)。古代の日本は中国を通して文明を吸収しようとしたし、近代の中国は先んじて西洋文明を吸収した日本を通してそれを学ぼうとしたが、そこで必ずしも相手自体は学ばなかったし、一度学んだ相手の姿を更新し続けることもなかった。著者日中戦争前で筆を置いた。それ以後はいくらでも詳細を綴った本があるからと一応の理由は語られるが、その直前の倭寇という「経熱」が政治的対立を生んだ歴史を日中両国は学んでいないという件を見れば、低意は明らかである。出版五年後の今日それは現実の物となりつつあるから

  • ヒトコ

    日中関係は、古代に海上交通が可能になった時からずっと、朝鮮半島を挟んで緊張関係にあったはず。でもそれにしては「日出づる処」文書問題や白村江敗退の後もそれ以上の混乱に陥ることはなく、元寇や秀吉の朝鮮出兵を除けば、明治になるまで大きな衝突はなかった。朝鮮半島が緩衝地帯になっていたからと思っていたが、実はずっと疎遠だったという解釈に目から鱗。「政冷経熱」日本は古来中国から色々な文化を取り入れ貿易も盛んだったが、互いに相手を理解しようとしなかった。だが今後は「完全なる認識」を目指す事が必要って事なんですね。

  • さとうしん

    今までの岡本隆司氏の一般書の総まとめあるいは入門書的な位置づけ。前半の遣唐使とか元寇のあたりの話が今までの同氏の著書に見えないオリジナルの部分だが、その部分の内容は正直微妙。特に遣唐使の頃の日中関係については、近年の東部ユーラシア関係の研究を踏まえると、もっと違った評価が可能ではないか。

  • 佐藤丈宗

    古代以来ずっと日中関係は疎遠であったというのが、本書のキーポイント。かといってその歴史は無駄であり、友好など幻想だと語るような浅薄な本ではない。日本と中国は異質の存在であり、疎遠でありながらも影響を与えあったという一見矛盾するような関係性も歴史を紐解いていくことで理解できる。その過程はダイナミックで非常に面白い。結局のところ、日本も中国も、お互いのことを真に理解しようとしてこなかった。「互いに知らない」ということを理解することをまずは知る。本書が語る日中関係の歴史は非常に示唆に富んでいる。

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