Books

教養としての「中国史」の読み方

岡本隆司

User Review :5.0
(1)

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784569847221
ISBN 10 : 4569847226
Format
Books
Publisher
PHP
Release Date
September/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

目次 : 中国は「対の構造」で見る/ 1 「中国」のはじまり―古代から現代まで受け継がれるものとは(なぜ「一つの中国」をめざすのか/ 「皇帝」はどのようにして生まれたのか/ 儒教抜きには中国史は語れない)/ 2 交わる胡漢、変わる王朝、動く社会―遊牧民の台頭から皇帝独裁へ(中国史を大きく動かした遊牧民/ 唐宋変革による大転換/ 「士」と「庶」の二元構造)/ 3 現代中国はどのようにして生まれたのか―歴史を知れば、いまがわかる(現代中国をつくり上げた明と清/ 官民乖離の「西洋化」と「国民国家」/ 「共産主義国家」としての中国)

【著者紹介】
岡本隆司 : 1965年、京都市生まれ。現在、京都府立大学教授。京都大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。宮崎大学助教授を経て、現職。専攻は東洋史・近代アジア史。著書に『近代中国と海関』(名古屋大学出版会・大平正芳記念賞受賞)、『属国と自主のあいだ』(名古屋大学出版会・サントリー学芸賞受賞)、『中国の誕生』(名古屋大学出版会・樫山純三賞、アジア太平洋賞特別賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

★
★
★
★
★

5.0

★
★
★
★
★
 
1
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
★
大学受験の時に世界史を選択し、その一環で...

投稿日:2021/02/27 (土)

大学受験の時に世界史を選択し、その一環で中国史も勉強し、いろいろ覚えたが、ただそれだけのことだった。この本を読んで儒教の影響や民族のあれこれを読んで、当時学習したことが立体的に立ち上がり、理解が深まった気がする。なお、楊貴妃との関係が鬼畜過ぎて、唐の玄宗皇帝が名君として語られる意味が今まで全く理解できなかったが、ちょっとだけ理解できた。

いえつん さん | 東京都 | 不明

0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 1.3manen

    話し言葉で読みやすい。日本人が中国を知ったのは意外にも朱子学経由の江戸時代(13頁)。Chinaと支那の語源は秦(39頁)。重要なのは、始皇帝が生み出した皇帝の照合、以降「天子」と不可分の称号となっていったこと(59頁)。専門用語で、放伐とは、前王朝を武力で倒し、新王朝を建てること。禅譲とは、武力によらない王朝交代(68頁)。このように専門用語をかみ砕いて説明されるのがよい。朱子学は、エリートの、エリートによる、エリートのための学術(121頁〜)。

  • かんやん

    複雑でダイナミックな歴史を網羅するのではなく、一片散砂、中華、儒教、遊牧民、科挙、宦官などのキーワードでコンパクトに説明。気候変動と地理的条件を重視。中国で産業革命が起こらなかったのは、その必要がなかったから。恐怖政治は、権力の基盤が安定していないが故に起こるなど、著者の視点が面白かった。隋と唐が漢民族の国家でなかったとは知らなかった。全体の流れがわかったので、もう少し掘り下げたい。

  • ひよピパパ

    「教養としての〇〇史」のシリーズものの一書であるが、本書は「教養」という枠組みでは捉えきれないほどの深さと面白さがある。マクロ的な視点で中国史のポイントをザックリと捉え教えてくれるほか、何よりも読者が聞きたい・知りたいポイントを実に巧みにくみ取り、簡潔に答えてくれる。中国史における儒教の果たした役割、各時代の気候や民族の移動と王朝の関係、宦官と官僚の関係など、目から鱗の情報が満載だ。そして中国の歴史を概観した上で中国人との付き合い方に対しても前向きな提言を示してくれる。

  • 出世八五郎

    これで中国を理解できた気になった。歴史で繰り返される易姓革命など権力闘争の叙述ではなく、儒教、朱子学、遊牧民族、唐宋変革、中原、江南、士と庶などのキーワードを軸に中国を読み解いた書。こんな国と付き合わなくてはいけないんだな!という感想。日中が快く付き合うには、まず中国という国名を変えるしかない。“中”という字そのものに中華思想の意志が込められている。これではチベットも台湾も手放そうとはしない。やっかいな隣人ではあるが面白い。中国を知りたい人には本書をお薦めしたい。名著と呼びたい。

  • bapaksejahtera

    国民国家として到底成立しそうにない「中国」なる物についてその通史を上手に纏める。長く同文同種として相互に誤解を持ってきた隣国への新たな理解を促す本。東洋史としてより広い視野での理解を促した岡田英弘と説く処は近い。廿世紀に生じた理不尽な「中国」という「国名」の由来についても首肯できる記述がある。この国を歴史的に規定してきた二元主義は、従来の士庶に代わり1億共産党員と民衆としてそれは継続しているし、官民・上下の乖離構造は変わらない。著者の言うように、徒な思入れを避け、水の如き交わりが日中両国には必要なのだろう

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items