Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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• アキ

  読了日：2024/04/01

  著者が著名な芸術家であることは知りませんでした。海外で個展を開催して、フランスから帰国し、その２日後に脳梗塞を発症した。幸い意識ははっきりしていたが、利き手の右手はピクリともしない。３週間後にリハビリ病院に転院した。ふと色鉛筆を右手に握らせて絵を描いてみた。絵らしきものが描けることがわかった。それから毎日絵を描いた。造形芸術やロボットの制作をしていた自分が身体機能が不自由になったことでむしろ自分の身体の内部感覚が敏感になり、ある瞬間に出来なかったことができるようになる体験をした。その絵の記録。素晴らしい。

• hydrangea

  読了日：2024/07/16

  重度の脳梗塞に倒れ、右半身麻痺になった造形作家の恢復期のデッサンは、まさに目に見える恢復。と同時に、従来の芸術とは別の方向を目指したポストモダニスト岡崎が、自由にならない右手で描き始めたのが具象だったという点に注目したい。やはり美芸大の入試に永遠にデッサンがあるように、美術家の身体に染み付いているのは素描なのだろうか。恢復の後半に描き出す抽象は冴えているが、やはり具象の積み重ねあっての抽象ということなのだろうか。内面を正確に綴ろうとする手記は、分析が秀逸なので、リハビリ関係者に行き渡ることを願う。

• じゃあもしもし

  読了日：2024/08/30

  読みながら、祖父のことを思い出していた。 ・120.121ページ　重心の話 ・「頭が捉えている感覚が崩れるまで、それがフィードバックされてこない」

• hf

  読了日：2025/11/22

  かれの著作『絵画の素』では、ブレイクの描いたネブカドネザルが力強すぎると批判していたのだけど、ブレイクはサナギになったネブカドネザルに力強い手と足が生えてきたところを描いていたのだと、じぶんの描いたトラの絵を見て、思い至ったそうです。

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