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「コミックス」のメディア史 モノとしての戦後マンガとその行方

山森宙史

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784787234605
ISBN 10 : 4787234609
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2019
Japan

Content Description

雑誌と並ぶマンガの代表的な形態であるコミックスは、戦後、私たちの日常生活にどう溶け込んでいったのか。生産・流通・消費の視点から、コミックスの「モノとしての認識枠組み」が成立し変容する歴史的なプロセスを解き明かす。

目次 : 序章 マンガ研究と「コミックス」/ 第1章 「単行本」とコミックス―初期新書刊コミックスの成立まで/ 第2章 「雑誌」とコミックス―“雑誌‐コミックス”体制の確立とその帰結/ 第3章 「書籍」とコミックス―マンガ文庫とA5判漫画単行本に見るマンガの「書籍性」/ 第4章 「本屋」とコミックス―「コミックコーナー」の社会史/ 第5章 「読者」とコミックス―コミックスが生み出す「モノとしてのマンガ経験」/ 終章 「メディアとしてのマンガ」の行方

【著者紹介】
山森宙史 : 1987年生まれ。四国学院大学社会学部助教。専攻は社会学、メディア史研究、サブカルチャー研究。論文に「「コミックコーナー」の社会史―1970‐80年代の小売書店空間におけるマンガの市民権の成立過程」(「マス・コミュニケーション研究」第87号、第7回日本マス・コミュニケーション学会優秀論文賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • へくとぱすかる

    雑誌でマンガを読む場合、読めなかった号の分はストーリーが飛ぶ。その欠落を救った存在が、コミックスつまり単行本。ギャグは1回で完結するが、ストーリーマンガだと欠落は必然。子どもが手軽に雑誌も買えなかった時代、友人との回し読みでも補完できない部分をコミックスが補った意味は大きい。やがては雑誌と、モノ・媒体としての関係を大きく変化させ、アニメブームやビデオ、現在ならデジタル配信など、担うメディアも遷移していく。徹底してマンガの内容ではなく、モノにこだわった論考は実におもしろく、今までになかった視点だと思う。

  • アナクマ

    コミックスとは一体どのような出版物なのか。いろいろ難しかった。後書きに曰く「マンガをメディア論的に問うとは、不透明さを認識する経験。世界の入り口にようやく立ったというところ」今後に期待です。◉2005年、紙のコミックスがマンガ雑誌の売り上げを追い越す。そして2017年、電子コミックスが紙のコミックスの売り上げを上回る。 ◉(さわや書店伊藤店長、上京時の回想)岩手にいたときには遠い存在でしかなかったコミックスがすぐに手が届くところにあるせいで、バイトしたお金はコミックと本に注ぎ込む生活になった(p.229)

  • きいち

    マンガを論じるなら、それが「モノ」としてどんなふうに成り立っているのか考えなアカンやろ、と、著者はこれまでなおざりにされてきた「コミックス」≒単行本としての存在に注目。赤本以来の歴史を追う。単行本派になって長い自分には雑誌が主だった時代は新鮮。◇この本ではストイックにナカミに踏み込まないのでその先は読み手の仕事ということか。単行本で読む体験は雑誌でのそれとは違う。単行本なら同じ作者の同じ作品に集中できるし、マンガの場合読むのが速いぶん途切れないから没入は深くなる。考えるとおもろいな。

  • 古戸圭一朗

    本書では従来のマンガ研究で見過ごされてきたマンガの「モノ」としての側面に光を当てる。我々が所与のものとして受け入れているコミックスという出版物がどのように成立してきたのかを紐解くため、「書籍」「雑誌」といった既存の出版カテゴリーとせめぎ合い、コミックスが自律していく過程を丹念に追う。特に面白かったのは後半で、例えば書店のコミックコーナーの歴史を扱った4章では、書店によってコミックスが「商品」としての位置を与えられるだけでなく、コミックスが書店の意義や役割を再編成する「モノ」となった側面を描き出している。

  • ゆーや

    「本屋」とコミックスの章がおもしろかった

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