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道長ものがたり 「我が世の望月」とは何だったのか 朝日選書

山本淳子

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784022631299
ISBN 10 : 4022631295
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

道長は、一家の末っ子だった。元は最高権力者に就く立場になかった彼に訪れたのは“幸ひ”と呼ばれた天運―。兄たちを襲った死や政治的ライバルの自滅があったからこそ掴んだ頂点の座だった。だが死者や敗者、つまり他人の不幸を踏み台に極めた栄華ゆえ、道長はしばしば怨霊に取り憑かれ、病に伏した。読者は「怨霊」の存在に戸惑うかもしれないが、著者は「それを非科学的と嗤っては道長の心を覗けない」と釘をさす。では、はたして道長はどんな思いで生き、そして死んでいったのか。自身の手による『御堂関白記』や同時代の貴族による『小右記』『権記』など一級資料のほか、『紫式部日記』『枕草子』など女房たちの実録、道長の死後に成長した『栄花物語』『大鏡』など歴史物語もひもときながら、一人の人間の心の“ものがたり”を照らしていく。

目次 : 超常的「幸ひ」の人・道長/ 道長は「棚から牡丹餅」か?/ “疫”という僥倖/ 中関白家の自滅/ 栄華と恐怖/ 怨霊あらわる/ 『源氏物語』登場/ 産声/ 紫式部「御堂関白道長の妾?」/ 主張する女たち/ 最後の闘い/ 「我が世の望月」/ 雲隠れ

【著者紹介】
山本淳子 : 1960年、金沢市生まれ。平安文学研究者。京都大学文学部卒業。石川県立金沢辰巳丘高校教諭などを経て、99年、京都大学大学院人間・環境学研究科修了、博士号取得(人間・環境学)。現在、京都先端科学大学人文学部教授。2007年、『源氏物語の時代』(朝日選書)で第29回サントリー学芸賞受賞。15年、『平安人の心で「源氏物語」を読む』(朝日選書)で第3回古代歴史文化賞優秀作品賞受賞。選定委員に「登場人物たちの背景にある社会について、歴史学的にみて的確で、(中略)読者に源氏物語を読みたくなるきっかけを与える」と評された。各メディアで平安文学を解説。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • みかん🍊

    あまり見ていなかった大河ドラマを今回は見ているのだが、歴史に疎く身分や関係性がよく分かっていないので読んでみた、道長は脳内では佑くん、ドラマでは今のところ出世欲もなく民の事を考えるいい人だが、史実では身内を利用して頂点にまで登り詰める出世欲の塊、これでは父や兄と同じではないか、しかしそれがゆえに妬まれたり怨霊に憑かれ体調不良に悩まされる、この時代は30代40代でバタバタと死んで医学が発達していないので呪詛とか怨霊とか信じていたんだ、権力者や帝まで出家していくのだが、どう過ごしていたのだろう。

  • さつき

    藤原道長とはどんな人だったのか?本人の書いた『御堂関白記』や同時代を生きた藤原実資の『小右記』、藤原行成の『権記』などの日記や『紫式部日記』『栄花物語』に描かれた姿を時系列に沿って追っていく。末子らしい要領の良さや、自らの「幸ひ」を喜びつつ、それを後ろめたく思い「心の鬼」を抱いていく極めて人間らしい様子が克明に描かれていて読み応えありました。望月の歌の意味もよくわかり、この時代の貴族の考え方、心の機微が見えてきたようで、とても面白かったです。

  • nico🐬波待ち中

    大河ドラマ『光る君へ』の復習と予習を兼ねて。平安時代を代表する権力者・藤原道長の生涯を、順を追って読むことにより道長の本心を探る物語。一家の末っ子ゆえ周囲から全く期待されていなかったのに、棚ぼた的に都の頂点に立った道長。それはなんと言っても内助の功、正妻・倫子のお陰。けれど全てが順調で怖いもの無しと思われた道長も、生涯に渡り病や猜疑心、孤独等様々な苦痛を強いられていたことに驚いた。栄華の輝かしい光と対極にある暗くて深い闇。道長の人間らしい人となりも分かって大河ドラマの後半戦がますます楽しみになってきた。

  • さぜん

    面白い。道長の功績ではなくその心の内を探りその人間像に迫る。歴史資料、文学資料特に心情を知るための和歌からアプローチし、平易でわかりやすく、時にユーモアある文章で道長とその時代の複雑な人間関係を描く。末っ子が栄華を極めたのは「強運」の持ち主だという解釈に妙に納得。そして常に人の不幸を踏み台にした故、恨みを持った怨霊に怯えていた。道長がどんな思いで生き死んでいったのかまで思いを馳せる機会を与えてくれた本作に感謝。大河ドラマを更に楽しめそうだ。

  • 明るい表通りで🎶

    此の世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたる事も 無しと思へば(今夜のこの世を、私は最高の時だと思う。空の月は欠けているが、私の望月は欠けていることもないと思うとれ)「道長にとっての二つの月──息子を中心としての政界の円満と、娘たちの名誉ある位とは、満ち足りてこれからも輝き続ける。」 言の葉も 絶えぬべきかな 世の中に 頼む方なき もみぢ葉の身は (あなたに言葉を託して、私はいく。しかしその言葉も、時の流れにいつかは途絶える定めなのだろうな。所詮はこの世の中に、すがるところもなく散る「もみぢ葉」だから)

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