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戦後民主主義 現代日本を創った思想と文化 中公新書

山本昭宏

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121026279
ISBN 10 : 4121026276
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2021
Japan

Content Description

アジア・太平洋戦争の悲惨な経験から、多くの支持を得た戦後民主主義。日本国憲法に基づく民主主義・平和主義の徹底を求める思想である。だが冷戦下、戦争放棄の主張は理想主義と、経済大国化後は「一国平和主義」と批判され、近年は改憲論の前に守勢にある。本書は戦後の制度改革、社会運動から政治家、知識人、映画などに着目し、戦後民主主義の実態を描く。日本社会にいかなる影響を残したのか。その軌跡を追う。

目次 : 第1章 敗戦・占領下の創造―戦前への反発と戦争体験/ 第2章 浸透する「平和と民主主義」―一九五二〜六〇年/ 第3章 守るべきか、壊すべきか―一九六〇〜七三年/ 第4章 基盤崩壊の予兆―一九七三〜九二年/ 第5章 限界から忘却へ―一九九二〜二〇二〇年/ 終章 戦後民主主義は潰えたか

【著者紹介】
山本昭宏 : 1984年奈良県生まれ。2007年京都大学文学部卒。2012年京都大学大学院文学研究科現代文化学専攻二十世紀学専修博士後期課程修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員などを経て、神戸市外国語大学外国語学部准教授。日本近現代史、メディア文化史、歴史社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • trazom

    「戦後民主主義」は一つの特殊な概念として存在している。本書は、毀誉褒貶相半ばして「戦後民主主義」が辿った道のりを丁寧に振り返る、とてもいい本だ。平和主義、直接的民主主義、平等主義を目指す考え方への批判に対し、丸山眞男先生は「大日本帝国の「実在」よりも戦後民主主義の「虚妄」の方に賭ける」と言った。しかし、その帰結が、個人主義、過剰な権利意識、格差社会という現代に繋がったのだとしたら、やはり虚妄だったんだろうか。若き著者が、終章で語る「戦後民主主義の精神が今ほど求められている時代はない」という言葉を信じたい。

  • 佐島楓

    戦後の映画や文学からのアプローチはわかりやすくてよかった。私は全共闘世代の考え方が理解できず、複数の文献にあたっているのだが、本書に対して思うことは、団塊の世代がもっと直接民主主義の意義を唱え実践する方向で動いていたら、現在の政治の在り方も変わっていたのかもしれないということであった。

  • けんとまん1007

    これほど、わかりやすく難解なテーマを解き明かしてくれる本は、そうそうないと思う。しかし、いかに政治屋が、都合よく解釈をし、人を使い、利益中心の考え方で進めてきたのかがわかる。ここの、経済分野の関りを加えると、どう見えてくるのだろう。そんな続編も期待する。民主主義、改めて考えるべき言葉。

  • 樋口佳之

    戦後民主主義の擁護者は戦前と戦後の断絶を強調し、批判者は戦前からの連続性を指摘した。ただし、右肩上がりの経済成長を続ける社会のなかで、経済格差や男女格差の問題をまったく見落としていたという点で、両者は共通/著者1984年生まれの方なのか。そこに驚きました。戦後民主主義の特質と功罪を読めたと思います。

  • hatayan

    戦後の価値観の根幹の一部をなしてきた戦後民主主義の考え方を概観。 戦禍を知る世代が憲法の理念に共鳴した黎明期から戦後民主主義が完全に相対化されるまでの70年間を5つの章に分けて主な論客や著作などから振り返ります。結果の平等を求めすぎた弊害を危惧した福田恆存ら保守派の論客の論考、小林よしのりの『脱正義論』は戦後民主主義の忘却の過程にあったとする説明には頷くものがありました。著者は、民主主義が統治ではなく参加を通じた自治の手段であることを伝える戦後民主主義の理念は今こそ引き継がれるべきものとしています。

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