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旅人の食 旅の記録と食風景タビノキロクトショクフウケイ

山本志乃

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784866241081
ISBN 10 : 486624108X
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

曲亭馬琴の江戸時代に始まり、清河八郎、中濱万次郎、福沢諭吉、イザベラ・バード、鳥居龍蔵・鳥居きみ子に至るまで。
人類の歴史は食を求めての旅であった。

私生活では、生真面目で酒を好まず、ほとんど外食もしなかったという馬琴。奇想天外な長編スペクタクルを生み出した原動力は、江戸を離れ、非日常の時空間に身をおいた数か月の体験にあったのかもしれない。ー 作家が旅した上方・曲亭馬琴

視野の広さと総合性で今なお高く評価される鳥居龍蔵の学問は、ともに歩いた妻子による台所からのまなざしに支えられていたともいえるのである。ー 人類学者のモンゴル踏査・鳥居龍蔵・鳥居きみ子

未知なる土地へ道を拓いた人々、その記録をたぐり寄せることで見えてくる食風景 ー

饗宴の際に必ず出される洋酒。グラスに浮かんでいるのは、氷である。(‥)時節は春の盛り。よもや氷があるとは思いもしない。驚愕の体験のひとコマである。ー 幕臣たちの文明体験・遣米使節団と福沢諭吉

意外なところで西洋料理を食する機会をえている。その店は秋田(久保田)にあり、ビフテキやカレーを堪能したイザベラは「眼が生き生きと輝く」ような気持ちになった。ー 異国人女性がみた明治の日本・イザベラ・バード
●はじめに●(一部抜粋)
人類の歴史は移動、すなわち旅の歴史でもある。数百万年にもおよぶそれは、食を求めての旅であった。いやまて、移動と旅は違う、と考える人もいるだろう。だが、日本語のタビは古語である。日本最古の歌集とされる『万葉集』にはタビを詠んだ歌がたくさんあるが、そこに描かれた情景は、遊興とは程遠い。山中でのわびしい食、それすら得られず、行き倒れの骸となるのもまれではない。古代のタビは、常に死と隣り合わせであった。
 民俗学者の柳田国男は、タビの語源について、「給へ」の口語体であるトウベに通じるのではないかと推測している。語源については諸説あるが、柳田はここで、「給へ」すなわち「ください」と食を求めながら移動することを旅の初源としているのである。
 旅と食とは分かちがたく結びついている。いうまでもなくそれは、娯楽としての旅と食の関係に限ったことではない。
 旅を生きる術とした人にとっては、旅先での食がそのまま命をつなぐための糧にもなった。神仏の加護を願って身一つで修行の旅をする人には、食を乞うことが心身鍛錬の一過程でもあった。 そしてまた、未知なる土地へと道を拓いた人たちは、未知なる食にも遭遇し、これを口にした。
 それぞれの旅には、それぞれの食がある。そのことを知る手掛かりは、旅人たちが残した記録にある。ただし、旅の記録に食の記録が伴うことは、実のところさほど多くはない。(中略)
 それでも、そうした記録を掘り起こしてみると、旅の情景のなかに埋め込まれた食の断片が浮かびあがってくる。どんな旅人が、どこで、どんな食の風景と出会ったのか、本書では、それらをその人の生きざまや時代背景とともに紡ぎ合わせることを試みた。

【著者紹介】
山本志乃 : 1965年鳥取県生まれ。神奈川大学国際日本学部歴史民俗学科教授。博士(文学)。民俗学専攻。定期市や行商に携わる人たちの生活誌、庶民の信仰の旅、女性の旅などについて調査研究を行っている。著書に『団体旅行の文化史―旅の大衆化とその系譜』(創元社、第14回鉄道史学会住田奨励賞(第二部門書籍の部)受賞)、『行商列車―“カンカン部隊”を追いかけて』(創元社、第42回交通図書賞(歴史部門)受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ホークス

    2024年刊。江戸時代〜明治の旅を記録した著述や旅日記を対象に、食のあり様を民俗学者が考える。各作品への言及は少なめだが作品数は多い。伊勢参りや遊山で庶民が見せる「遊びたい、食べたい」のパワーがすごい。著者は女性だと思うが、旅を楽しむ女性についての観察が詳しいのは本書の特徴。外国食体験は、漂流者の大黒屋光太夫では悲惨だし、福沢諭吉ら維新期は痛快に読める。イザベラ・バードの感じた「安全」への分析が深い。当時の日本はプライバシーを排除し、常に人に見られている事で安全が保障された。ある局面では有効な手段だと思う

  • こんなにおもしろいとは想定外だった。山本志乃さんの大ファンになった。 ひとりで。または共感してくれた友人と。もしくは小さな子供も一緒に家族と。はたまた思いがけず旅の道連れになった人と。誰とどんな旅に出ても必ずそこでは何か食べるし、そこで生活している人と関わり合う。食が関わる以上、旅をすることで得られる感情は人間にとって本能に訴えかけてくる何かがあるのだろう。だから旅をやめることはできないし、旅をした話を読むだけで感動するのだろう。

  • s

    とても面白かった。興味深く、登場した人々について知りたくなった。著者の本ももっと読みたい。 この本をきっかけに、登場した人物を描いた小説を読んでいる。 イザベラ・バード、大黒屋光太夫、野中夫妻。 こんな人々がいたのか!と感激をくれた一冊です。読み直したい。

  • Go Extreme

    意義と背景:遊山文化 旅行の経済的側面 旅行者の交流 旅の記録 文学への影響 社会背景 旅の目的 旅と食文化:旅先の食事 地域特産品 茶店文化 食道楽 名物料理 酒文化 食の風景 放浪と冒険の旅:遊興旅行 物見遊山 放浪の旅 冒険の旅 異国への雄飛 自給自足 旅の困難 越境と雄飛:江戸の旅行文化 国際交流 旅行者の成長 文化融合 商業の発展 海外渡航 知識の獲得 旅行の記録:旅行記の価値 旅の経験 文化理解 歴史的意義 個人の成長 示唆:文化交流の重要性 食文化変遷 旅行の多様性 国際交流の発展 旅の継承

  • takao

    ふむ

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