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「忠臣蔵」の決算書 新潮新書

山本博文

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784106104954
ISBN 10 : 4106104954
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2012
Japan

Content Description

吉良邸討ち入りに費やされた軍資金は「約七百両」―武器購入費から潜伏中の会議費、住居費、飲食費に至るまで、大石内蔵助は、その使途の詳細を記した会計帳簿を遺していた。上野介の首を狙う赤穂浪士の行動を金銭面から裏付ける稀有な記録。それは、浪士たちの揺れる心の動きまでをも、数字によって雄弁に物語っていた。歴史的大事件の深層を一級史料から読み解く。「決算書」=史料『預置候金銀請払帳』を全文載録。

目次 : 序章 赤穂事件と「決算書」/ 第1章 お取り潰しの清算処理(藩札の償還と財産の処分/ 藩士の身分と退職手当/ 四十七士の身分と役職)/ 第2章 軍資金と浪人生活(藩の「余り金」と瑶泉院の「化粧料」/ 巨額の仏事費と政治工作費/ 難儀する無職生活)/ 第3章 討ち入り計画の支出項目(上方と江戸の往復旅費/ 同志たちへの手当/ 江戸への片道切符)/ 第4章 討ち入りの収支決算(江戸の生活と武器購入/ 決算書の提出/ 吉良邸討ち入り/ 四十六士の命の決算)/ 終章 一級史料が語るもの

【著者紹介】
山本博文 : 1957(昭和32)年、岡山県生まれ。東京大学大学院情報学環教授、同大学史料編纂所教授(兼任)。近世政治史を中心に、武士の社会史から大奥女中の組織論まで、新たな江戸時代像を提示しつづけている。著書に、『江戸お留守居役の日記』(日本エッセイスト・クラブ賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • yamatoshiuruhashi

    小説の「決算!忠臣蔵」を読み本書を知る。本書それ自体がもうドラマですね。何をするにしても資金が必要なのが良くわかります。統率力と金銭感覚の二つがなければ「事」は成し遂げられない。もし金銭感覚がなければ、ないことを自覚したうえで確実なスタッフを擁しなければならない。武人としての大石内蔵助のみならずお金の始末をきちんとつけようとした大石にも魅力を感じることになった。支えた事務方は偉かったなぁ。

  • kayak-gohan

    経済的側面から赤穂浪士の吉良邸討ち入りという一大プロジェクトを分析している。「金銀請払帳」が単なる金銭出納の記録にとどまらず、そこに記述された事柄を繋がりで捉えることで財務的裏付けのある史実を浮かび上がらせる資料であることがわかる。限られた人材、予算、時間などといった経営資源の制約がある中でいかにして仕事を組織化し成功に導くかは元禄時代も現代も変わらない課題だと思う。そういう視点から本書を読んでみると、大石内蔵助という人物の計画性=用意周到さ、情理の使い分け=人心収攬の巧みさには大いに学ぶところがあった。

  • Kouro-hou

    赤穂藩は塩とかあったので比較的裕福だった。なので例の事件で即お取り潰し食らっても何とか清算できたんである。しかも内匠頭嫁の塩田投資金約700両が残り、筆頭家老の大石内蔵助がお家再興のための資金に使う事にしたのだ。だがしかし…というリアル忠臣蔵の資金繰り一級資料「預置候金銀請払帳」の解説本である。供養のために山買ったり、再興の口利きの諸費用とか様々だが、江戸で敵討をはやる血気盛んな連中をなだめるための往復交通費がデカいという辺りが現実味がある。槍より長刀が2両高価でお前槍で我慢しろ!と言いたくもなるw

  • 金吾

    忠臣蔵を軍資金の収支から考えるというのは斬新な視点だと思いました。納得できる点が多かったです。旅費が思ったより高いことと結構ギリギリだったことが印象に残りました。

  • assam2005

    映画「決算!忠臣蔵」の原作とも言える本。小説版を読み、こちらに興味が湧き、手に取りました。忠臣蔵といえば四十七士だけが耐えに耐え意思を貫いたと思いがちだが、結局その47人が生き抜いたのもお金があったからで、そのやりくりにどれほど見えない裏方が苦心したのかと思うと、ため息が出る。当時の武士全員に経済観念かあったとも思えない。それは、ひとえに勘定方の先を見据えたやりくりと内蔵助の経済観念の賜物だったのだろう。小説版よりリアルで現代的。裏方の尽力に拍手です。

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