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哀しすぎるぞ、ロッパ古川緑波日記と消えた昭和

山本一生

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062189804
ISBN 10 : 4062189801
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2014
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「日本の全盛期が僕の全盛期ですかな」時代の喝采を一身に浴びた「昭和の喜劇王」初の評伝!あの戦争で日本人は何を失ったのか。「不機嫌な喜劇王」57年の生涯。

目次 : 第1章 華麗なる一族の喜劇役者(ロッパ誕生/ 文士と役者の三叉路/ 宝塚の恥辱から浅草の夏へ)/ 第2章 東宝古川緑波一座(「笑の王国」の不協和音/ 東宝のドル箱「古川緑波一座」/ 「ロッパ若し戦はゞ」と戦争の始まり/ 「ロッパと兵隊」火野葦平/ 「髭のある天使」と興亜新劇団)/ 第3章 戦時下の名作、名舞台(十二月八日の『男の花道』/ 菊田一夫との別れ/ ロッパの終戦ものがたり)/ 第4章 変わる時代、変わらぬロッパ(一座独立と『東京五人男』/ 人気凋落を告げる手紙/ 『三人は帰った』の見果てぬ夢)/ 第5章 哀しき晩年、そして日記(「さくらんぼ大将」の運命の日/ ロッパの禁煙狂騒曲/ 「オヤヂさんは、もう出ない方が…」)/ 終章 日記は俺の情熱、いのち

【著者紹介】
山本一生 : 1948年生まれ。近代史研究家、競馬史研究家。東京大学文学部国史学科卒業後、石油精製会社に勤務するかたわら、競馬の歴史や血統に関して執筆活動を展開、97年よりフリーとなる。伊藤隆東大名誉教授のもとで『有馬頼寧日記』の編集に加わり、その後は戦間期の日記を読み解く作業を行っている。2008年、『恋と伯爵と大正デモクラシー―有馬頼寧日記1919』(日本経済新聞出版社)で第56回日本エッセイスト・クラブ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 駄目男

    『古川ロッパ昭和日記全四巻』は昭和9年から晩年まで、各巻二段組900ページ前後と膨大なもので、これでも、一部行方不明のものもあり、更に9年以前のものは本人によって焼却されたとあるので、如何にロッパが日記魔だったかが良く分る。4百字詰原稿用紙で3万枚というから驚く。天才的な声帯模写として映画、芝居、ラジオと八面六臂の活躍から一転、落ちぶれ結核、糖尿病と全身を病に蝕まれながらも税金の滞納、借金と苦しむロッパ日記の変遷を見て行くと、知らずうちにも喀血しながら働くロッパに同情が集まり悲痛の面持ちになる。

  • Koki Miyachi

    古川緑波。恵まれた境遇に溢れる才能で、膨大な日記を残し「喜劇王」として昭和を駆け抜けた男、ロッパ。日記を軸に書き起こされた本書は、表の記録としてのロッパと、生身の本音が絡み合いながら進行し、単なる伝記とは一線を画す迫力がある。強烈な個性を持つ才人の生々しい人生記。昭和の文化史を知る上でも優れた一冊。

  • 浅香山三郎

    文庫ではなく単行本で余り外で読めなかつたので、読了迄時間がかかつた。著者の山本一生さんは『日記逍遥 昭和を行く』といふ、かなり面白い日記読解の本を出されてゐる。また、伊藤隆さんの『歴史と私』でも言及のある書き手だつたので、期待して読んだ。まず驚いたのは、刊本のロッパ日記にかなり大胆な割愛のあること。如何にロッパ日記が大部かが分かる。後半は一気に読んだが、第4章以降の戦後のロッパの部分を読むのは、かなり辛い。ロッパの病気や、上森子鉄とのトラブルが無かつたら、彼はもう少し活躍しただらうと思はされる。

  • kokada_jnet

    前著『日記逍遥 昭和を行く−木戸幸一から古川ロッパまで』でも、ロッパ日記を詳細に扱っていた山本一生氏が書いてくれた。ロッパ初の評伝、ありがたし。ロッパ日記原本と比較すると、晶文社版ロッパ日記は、元があまりに膨大な量であったため、大幅にカットして刊行されているとのこと。

  • tsukamg

    ロッパといえば戦前から戦後にかけての日記が有名。昭和10年代から20年代をほぼ網羅しており、戦前戦後史の良き資料となっている。本書はロッパ日記に沿った、昭和史とロッパ伝。戦後、売れなくなっていく過程の日記に漂う悲壮感はまさに、哀しすぎるという言葉がぴったりくる。他のタレントが自家用車を持っているのに嫉妬するくだりなど、ため息が出る。戦後とは、ロッパが売れなくなるような価値転換だったのだ。逆算すれば、戦前とはロッパが売れるような時代だったのだ。昭和初期のエログロナンセンス時代とは、つまりそういう時代か。

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