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柔らかい個人主義の誕生 消費社会の美学

山崎正和

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122014091
ISBN 10 : 4122014093
Format
Books
Publisher
Release Date
March/1987
Japan

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Book Meter Reviews

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  • 著者の生き様を学ぶ庵さん

    80年代に70年代を評価し将来を見通す筆者が予言者に見えた高校生の頃。「消費とは充実した時間を消耗すること自体を目的とする行動」と効率優先の生産社会に対比して定義する筆者にビリビリとやられました。ただ、ここから「本を消費する」という嫌らしい概念も出てくる訳です。大学に入ると、本を消費する教授や学生に唖然とした紅顔の美少年の頃(自分で言うか?)。

  • 白義

    必要を満たすために発展した近代産業社会の終わりを宣言し、明白な窮乏や目的を失った新たな消費社会では、他者と社交し、自他の欲望と眼差しを取り込んだ表現する自己と、その表現のための消費が基本的なモードになるだろうと予言した本。大まかな見通しは納得できるし、消費は見せびらかしのための示威行為であるという説を批判し、他者との協同的な芸術的側面を強調するなど、哲学的にも興味深い指摘は多い。さすがに当時としても楽天的過ぎで、貧困が改めてクローズアップされた現代はさらに後退しているとはいえ、いい本

  • うえ

    かつては死の恐怖の代表的な源泉だった結核。「1950年代の抗生物質の普及は多くの感染症を制圧したが…一時代を象徴する病ひであった肺結核を征服した…この病気こそ、栄養不良と劣悪な衛生環境の指標といふべき災禍であり…典型的な集合化の不幸であったといへる。そして、それにたいして人間のとった対策もまた典型的に集合的であって、国民的な規模での栄養と衛生状態の改善、国家的な健康保険制度による集団検診と大量投薬が、60年代に画期的な効を奏したのであった。個人の側から見れば、これはしばしば死にいたる病ひであった」

  • しゅん

    喧噪の60年代から曖昧な70年代という対比を近代思想300年と突き合わせることで、現代の人々の傾向を探る84年の分析。マックス・ウェーバー曰く、近代では神への信仰として禁欲的な「生産」が称揚され、そこから「生産」の時代が続いた。今は「生産」で動物的欲求を満たす時期を過ぎ、「消費」の価値が上昇する時代だと著者は語る。そこから「消費」を、満たす欲望と先延ばす欲望の二つに分ける。先延ばしの多様性が社会の一体性を解体し、生産に規定されない、複数の共同体を回遊する「柔らかい個人主義」が生まれるという結論。

  • nobody

    突っ込みどころは無数だが、どれほど論述が破綻というより破滅してるかというと、山崎が否定的に用いている(根拠はP.206)キーワード「満足を先送りする」が「先取り」と誤植されてるのを校正が気付かぬばかりか3版でも訂正されず、解説の中谷巌すら肯定語として誤読するほどだ。これは校正や中谷らが悪いのではない。何せ「満足を先送りすることは、より十分に満足を急ぐための方法としての廻り道」という表現から山崎の本意を汲み取れというのだから無理な話だ。第三章、そして本書を破滅させたのは銀の皿である。先に会話とともに肯定側に

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