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初夏ものがたり ちくま文庫

山尾悠子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480439550
ISBN 10 : 4480439552
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

初期のSFファンタジー『オットーと魔術師』収録の表題作品を酒井駒子の挿絵と共に。みずみずしさを織り込み、鮮やかで不思議な印象を残す4作品。

【著者紹介】
山尾悠子 : 岡山市生まれ、小説家。同志社大学文学部国文学科卒業。1975年、「仮面舞踏会」(「S‐Fマガジン」早川書房)でデビュー。2018年、『飛ぶ孔雀』で泉鏡花文学賞、日本SF大賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ちょろこ

    好きな世界観の一冊。山尾悠子さん、初読み。4話からなる、夏直前の不思議な時間を描いた物語は設定といい、スッと心に入ってきて、どこか存在しない遠い地のような、地に足が着いていないようなふわっとした世界観がとても好みだった。そこに酒井駒子さんのどこかもの寂しい挿画が拍車をかけ、よりストーリーに入り込めたのがうれしい。そしてミステリアスなビジネスマン、タキ氏の存在も。一話目の「オリーブ・トーマス」の、暖炉の前で流れる束の間のひとときのその掬い方、もの悲しさと温かさ交えての表現が好き。もう少し浸っていたい世界観。

  • buchipanda3

    初夏の気配。長い日暮れの始まり、麻のパラソル、今年初の半袖、雨上がりのうるんだ熱っぽい夜気、プール開きの水繁吹、青い杜若。白いアジサイには一途な愛情や寛容の意味が込められている。父親へ伝えたい気持ちを言葉に出来ないもどかしさにうごめく娘が白い花から得たもの。久方ぶりの五月の日本で老女が体験した夜の邂逅。夏を迎える上擦りは心の想いを朧気な幻に見せる。それは自己の名残。あの世でもこの世でも人は人たる心を持つ。酒井駒子さんの挿絵が物語をより薫らせる。ビジネス人のタキ氏にはかつてのハードボイルドな感傷を感じた。

  • シナモン

    大切な人に会うために束の間よみがえる今はなき人たち。あの世とこの世を結ぶのは謎に満ちた日本人ビジネスマン、タキ氏。冒頭のタキ氏のホテルでの場面からそのミステリアスな世界にすーっと引き込まれた。終始不穏な空気を纏った物語はどこか緊張感もはらんでいて目が離せない。これがお盆のころの物語じゃなくて初夏っていうのがなんとも。そして確かに初夏っぽい。酒井駒子さんの絵も物語にマッチしてて惹きつけられた。初夏の幻想に浸る不思議な読書時間。読み終えてなんだか頭ふわふわ。

  • たま

    読メのご感想、表紙の麦わら帽子の少女の絵に惹かれて読んだ。山尾悠子さん初読み。タキ氏の仲立ちであの世の人がこの世を一夜訪れる幻想小説だが、その往来はさらっと描かれ、それよりもどこかの外国の街、岬の別荘、日本建築+洋館の屋敷といった情景のていねいな描写に懐かしさをそそられた。青い空、白い雲、海、湖、ヨット、草いきれ、木陰、木洩れ日、パラソル、帽子、ワンピース…そんな描写にうっとりしながら昔は真夏でもこんなに暑くなかったとしみじみ思う。2024年7月の月平均気温は最高記録を更新。

  • 星群

    初読み作家さん。『タキ氏は旅先のホテルのグリルで、早い夕食をとっていた。』最初の頁を捲ると、そこは夏の始まりでした。初夏って、陽が暮れるのがゆっくりだからか、明るいうちに夕食をとる感覚があって、その情景が脳内に飛び込んできて、うわぁ!って鳥肌がたちそうになりました。それをまた酒井駒子さんの押し絵が後押しをするのです。ゆったりしたなかにそれぞれの哀切が過ぎり去っていく。濃厚な時間でした。まぁ、初夏の頃に読めれば文句なしだったんですけどね。

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