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キメラ-満州国の肖像増補版

山室信一

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121911384
ISBN 10 : 4121911385
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2004
Japan

Content Description

中国東北地方に忽然と出現し、わずか13年5ケ月後に姿を消した満洲国。本書では建国の背景、国家理念、統治機構の特色を明らかにし、そこに凝縮して現れた近代日本の国家観、民族観、アジア観を問い直す。

【著者紹介】
山室信一 : 1951(昭和26)年、熊本市に生まれる。1975年、東京大学法学部卒業。衆議院法制局参事、東京大学助手、東北大学助教授、京都大学人文科学研究所助教授を経て、現在、同研究所教授。法政思想連鎖史専攻。著書に『法制官僚の時代―国家の設計と知の歴程』(本鐸社、1984年、毎日出版文化賞受賞)、『思想課題としてのアジア―基軸・連鎖・投企』(岩波書店、2001年、アジア太平洋賞特別賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 碧緑(あおみどり)

    膨大な文献を参考としながら、コンパクトにまとまった良書。この本が書かれた当時「最後の満州国ブーム」が日本で起こっていたことは知らなかった。四季の「李香蘭」は観にいったけど。浅田次郎さんの満州国に関わる小説は日本人読者の目線を意識して耐えられる程度に脚色されているが、事実はやはり相当残酷なものだったようだ。何より、日本が満州と勝手に名付けた東北三省にはちゃんと住んでいた人たちがいて、土地も家もあったところを二束三文で買い取って(冬のさなかに)追い出した、そこに植民させたというのだから、正当化のしようがない。

  • skunk_c

    久々に重厚な新書を読んだ気がする。満洲国という様々な人の思いの詰まった人造「国家」について、著者自身が苦しみながら筆を進めたことが文面からうかがえる。よって決して読みやすい文章ではない。しかし慎重に選んだ言葉の向こうに見えてくる像は、「傀儡国家」とか「五族協和」などの一言で表される単純なものではなく、本のタイトルのように、様々な思惑(それも時と共にうつろう)得体の知れなさで読み手に迫ってくる。日中戦争や日中関係を学ぶ者にとって、本書は必読書だと思った。Q&A形式の補論は本文より平易で理解の手助けになった。

  • かふ

    「満洲国」についてのこれほど詳しく述べた本はないかもしれない。それも新書で。「キメラ」とは複合体のことで頭が関東軍、胴が天皇制、尻尾が龍で清帝国。ただ尻尾の清帝国は、しだいに関東軍と天皇制に侵食されて日本の傀儡国家となる。マルクスの引用、一度目は悲劇で二度目は喜劇だ、というのを清帝国に当てはめている。満州は理想国家としての実験国家であったという。石橋湛山の汎アジア主義、五族協和は孫文の五族共和と協の字が違う。日本と朝鮮が入ってくる。孫文はウイグルとチベット。王道楽土。入植者にとってのということだ。

  • ステビア

    傀儡国家は高邁な理想の実現が潰える過程の後に発現した。

  • coolflat

    補章のみ再読。325頁。日本から見れば満州は朝鮮半島のかなたに存在しているから、直接的にそれが問題になったというよりは、まず朝鮮の地政学的重要性についての認識があり、次にその接壌地帯として満州の意味が浮上してきた。それを象徴的に示すのが、1890年の山県有朋の首相演説にある「主権線」と「利益線」という考え方だ。そういう考え方に立てば、まず朝鮮半島を利益線として確保しなければならなくなる。この朝鮮半島に侵入してくるのは中国とロシアであるということになれば、日清戦争、日露戦争は避けがたい必然性を持つものとなる

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