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ISBN 10 : 4122076978
Content Description
土俵人格論を展開した尾崎士郎の随筆集。筆者の厳しくも暖かい眼差しは、相撲の隅々に行き渡り、一人一人の力士を限りない愛情で活写する。
行間から、拍子木の冴えた音、呼び出しの声、立ち合いの厳し気合いが滲み出る。〈解説〉山内昌之
・著者の尾崎士郎は、大正9年の栃木山・朝潮戦観戦を機に、無類の相撲愛好家となり、双葉山70連勝を阻んだ安藝ノ海戦も観戦している(本書にも当時の回想あり)。晩年は横綱審議委員にもなり、角界のご意見番的存在であった。
・著者のスタンスは、土俵に躍動する力士への思慕であり、力士個人とは一定の距離を保つ、その姿勢が文章に客観性と高潔さを生み、読者を自然と相撲の魅力に気づかせてくれる。
・当代「大の里」の四股名は、昭和初年の大関大の里に由来しているが、その「大の里」を忘れがたき力士として一章割いていることは特筆される。
・底本には、ベースボールマガジン社刊(1995年)では除かれていた3章分を含む東京創元社版(1957年)を使用する。
【著者紹介】
尾崎士郎 : 1898(明治31)年、愛知県横須賀村(現・西尾市)生まれ。旧制中学時代から政治に関心を寄せ、早稲田大学高等予科在学中、学長人選問題から始まった早稲田騒動の指導者として活動。東洋経済新報社から、売文社に入り、社会主義運動に参加するが、運動から離脱後、大逆事件を扱った「獄室の暗影」を発表、創作に向かう。1923〜30年宇野千代と結婚、馬込一帯の文学サロンの中心であった。33(昭和8)年から都新聞に連載された長篇『人生劇場』(35年刊)で一躍流行作家となる。歴史小説も開拓し、『成吉思汗』『篝火』『石田三成』等の作品で知られる。長篇『雷電』など相撲関係の著作もあり、横綱審議委員も務めた。1964(昭和39)年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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