Product Details
ISBN 10 : 413051363X
Content Description
「存在か無か」の図式のかげにとり残されてきた“非在”の居場所をまなざし、「ともにある」ために、哲学にはなにが必要で、なにが可能なのか。アウシュヴィッツ、水俣病、戦争、市民運動、教育、ケアといったフィールドを縦横に行き来しつつ、人間であることの歓びとかなしみを根源的に問う。アーレント、アガンベン、レヴィナス、石牟礼道子、鶴見俊輔らの思索の糸をたぐりよせ、「ただ生きること」の歓待を呼び覚ます倫理と哲学を織りあげる新しい試み。
目次 : 思考のはじまりの痕跡/ 第1部 人間的なるものの在り処―“非在”の思想的水脈(コモン・センスとしての応答的理性―アーレントにおけるパトスと人間のもろさをめぐる省察/ ただ生きること、あるいは“非在”の歓待―アガンベンにおける「剥き出しの生」をめぐる批判/ ホショウ科学時代におけるパテイ・マトス―アガンベンにおける経験と思想と“非の潜勢力”/ 審問されるコナトゥス、エティカの行方―レヴィナスとアガンベンのスピノザ)/ 第2部 “かなしみの知”と“知のかなしみ”のほとりから―弱さとともに生きること(“非在”のエティカの生起する場所―石牟礼道子とパトスの記憶誌/ 悲しみの器と煩悩のケア―近づくことの不可能性と遠ざかることの不可能性について/ “ひずみの底の未来イメージ”、あるいは弱さの倫理―鶴見俊輔のプラグマティズムと科学技術の政治性/ 「方法としてのアナキズム」考―鶴見俊輔におけるユートピアとしての漫画的精神/ “知のひと”から“受苦するひと”へ―石牟礼道子と鶴見俊輔の出遭いから)/ “非在”のエティカ―ただ生きることの歓待のために
【著者紹介】
小野文生 : 1974年、滋賀県生まれ。同志社大学グローバル地域文化学部教授。教育学・哲学・社会思想史・ユダヤ思想研究を専門とする。名古屋大学教育学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了、ベルリン・フンボルト大学留学を経て、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程学修認定退学。京都大学博士(教育学)。京都大学助手、京都大学特定助教、同志社大学グローバル地域文化学部准教授等を経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
Customer Reviews
Book Meter Reviews
Recommend Items
Feedback
Missing or incorrect information?
Product information of this page .

