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成熟社会の経済学 岩波新書

小野善康

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784004313489
ISBN 10 : 4004313481
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2012
Japan

Content Description

需要が慢性的に不足して生産力が余り、それが失業を生み続ける現在の日本経済。これまでの経済政策はどこが問題なのか。新しい危機にはいかに対応すべきなのか。新古典派経済学の欺瞞をあばき、ケインズ経済学の限界を打破する、画期的な新しい経済学のススメ。閉塞状況を乗り越え、楽しく安全で豊かな国へと変貌するための処方箋。

目次 : 第1章 発展途上社会から成熟社会へ(お金をめぐる社会の変遷/ 成熟社会に足りないもの/ 混乱する経済政策)/ 第2章 財政政策の常識を覆す(乗数効果という幻想/ 雇用創出と税負担/ 財政支出の使い道)/ 第3章 金融政策の意義と限界/ 第4章 成熟社会の危機にどう対応するか(高齢化社会と少子化問題/ 災害対応/ 環境・エネルギー政策と市場の創出)/ 第5章 国際化する経済(内需と為替レート/ 企業の海外移転と産業保護)

【著者紹介】
小野善康 : 1951年東京都文京区生まれ。1973年東京工業大学卒、1979年東京大学大学院修了・経済学博士。専攻はマクロ経済動学、国際経済学、産業組織論。現在、大阪大学フェロー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • Francis

    7年ぶりに再読。小野善康先生の研究の集大成を新書サイズにまとめたもの。詳細に論じたものが今積ん読している「不況の経済理論」(橋本賢一氏との編著)という事になる。モノが溢れているためにお金が使われずに溜め込まれてしまう成熟社会。成熟社会では社会の発達に伴い供給能力が過剰となり、需要不足が起こり、民間企業がモノ・サービスを提供しても売れないため、アベノミクスのような金融緩和策や消費税減税のような減税策はお金が溜め込まれるだけで全く効果を上げることはない。ではどうしたらよいか?この本はそれについて論じている。

  • mackane

    経済政策として我々はアベノミクスを選んだ。それは、今後の成長を前提として借金をし、お金をまくことで、円安を導き、企業の国際的競争力を上げ、業績向上と給与増加をもたらし、それが消費に繋がり景気回復、さらなる業績向上をうみ、その間に第3の矢をというものだと思う。本書では、そもそも日本は成熟社会であり、今後の継続的成長は見込めないし、モノが満ちた社会では、お金の価値が向上し、給料が増えても貯蓄に回り消費されない。需要を喚起するための施策を国による資源の分配を通し行うことのほうが有効だとする。資本論を思い出した。

  • 脳疣沼

    民主党政権時代の一時期に注目を浴びていた経済学者の本だが、素人には判断が難しい。現状では人手不足なのでちょっと本書の想定とずれている気がするが普通に説得された。納得感がある。しかし、当時から批判も山ほどあって、そういうのを読むとそちらに説得されてしまうのである。経済については何が正しいのかわからない。アベノミクス(リフレ政策)だって、賛否両論だし、素人は翻弄されるだけだ。

  • ウラー

    主張はただひとつ、従来のケインズ経済学が妥当するのは発展途上社会であって、成熟した社会では妥当しない、ということ。生産力過剰の状態で設備投資を増やして生産性を上げても、失業が増えるだけで豊かにはなれない。公共事業をやめて財政の無駄を省いても、他に労働需要を創出できる道がなければ内需が落ち込み逆効果。議論はすこぶる丁寧で、地味ですらある。最大の弱点は視点が常にマクロ的であることだろう。企業が揃って生産性を高めないようにすれば、労働需要が維持されて内需が回復して景気は上向き、人々はより多くの財とサービスを→

  • cybermiso

    人々の欲望が貨幣自身に向かい、消費を抑制する成熟社会は、既存の供給と需要の均衡をベースとする新古典派やケインズ派では解決できない。効率(プロセス)化はジリ貧になるだけ。いかに需要(プロダクト)を作り出すかが課題。増税により溜め込まれている財を回収し、観光・環境・対災害・福祉などの企業が深く参入していない、だがこれから必須の産業に注力することで、需要を作り出し、雇用問題も解決できるとのこと。とても納得できるが、国として何処まで介入すべきか、国民はついてくるか等もあり現実的には別アプローチが必要かもしれない。

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