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単一民族神話の起源 「日本人」の自画像の系譜

小熊英二

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784788505285
ISBN 10 : 4788505282
Format
Books
Publisher
Release Date
July/1995
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 金吾

    ◎そもそも民族とは何だろうというレベルの私にとり、歴史的かつ体系的に日本民族についてイメージを持たせてくれたのが良かったです。混合民族論と単一民族論の背景やロジックが理解できました。家族の考え方は印象深いです。

  • きいち

    「日本は単一民族による国家」という認識は戦後のもの、戦前の日本は多民族国家であるため(「進め一億火の玉」の一億には朝鮮・台湾の人口も含む、とは驚かされる)混合民族起源説が主流だったことを丁寧に追究・・だがこの本は、そこにはとどまらず普遍性の高い指摘にあふれている。◇例えば、差別解消を願い行動していた喜田貞吉や坪井正五郎が良心的に生み出したものが逆に抑圧を促してしまう構造(リビングストンとかもそうだよな)。その罠にはまらぬためには、柳田や津田のように、仲間の少なさにめげず、詩は詩と峻別する強さが必要なのだ。

  • ハチアカデミー

    戦前から「日本人は単一民族である」と言われてきた訳ではなく、政治状況によって混合民族説とヘゲモニー争いをしていて、植民地がアジアに広がった頃には、むしろ混合民族説の方が優位であった。中国人、朝鮮人も家族として「日本人」と見なすためには、法律だけでなくそれを支える論理が必要。そして学者が時流を支える為の論理を作り出す(自覚がなくとも)。歴史学の手法だけでは、「かつては混合民族説が優位だった」という結論で終わってしまう。そこに社会学の目が入るからこそ、学説誕生の構造を鋭く指摘することが出来ている。

  • ジュン

    「マイノリティの擁護のため生み出されたものが、結果として侵略の論理となるという悲劇があらわれている」 進歩のナショナリズムが、後に抑圧のナショナリズムになるという矛盾は衝撃だ。 「異なる者と共存するのに、神話は必要ない。 必要なものは、少しばかりの強さと、叡智である」 個人レベルではともかく、国というバックグラウンドを背負っての健全な相互関係を模索する上で、これほど示唆的な言葉はない。

  • ドウ

    高校現代文の教科書の脚注で見かけて以来ずっと読んでみたかった本。近代日本で混合民族論と単一民族論が、双方とも過度に政治性を帯びた非科学的な詭弁でありながら、切磋琢磨され、人口に膾炙し、植民地化・皇民化政策の正当化や戦後の「平和な島国日本」という自画像の形成に大いに寄与した様子が、まずは思想史の手法を用いて通史的に示される。その後に結論で社会学の諸理論を駆使し、こうした思想が生まれ、正当化されうる日本の心性・レトリックが説明される。厚さ以上に内容のボリュームがある(ここには書ききれない)。読めて良かった。

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