失われた過去と未来の犯罪 角川文庫

小林泰三

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784041081655
ISBN 10 : 4041081653
フォーマット
出版社
発行年月
2019年08月
日本
追加情報
:
368p;15

内容詳細

女子高生の梨乃はある日、記憶が短時間で消えてしまうことに気付く。この現象は全世界で発生し人類はパニックに陥った―。それから数十年。記憶する能力を失った人類は、外部記憶装置なしでは生きられなくなっていた。記憶=心が切り離せるようになった世界で「わたし」は何人分もの奇妙な人生を経験する。これは本当に自分の記憶?「わたし」は一体、何者なのか…?『アリス殺し』の鬼才が贈る、予測不能のブラックSFミステリ。

【著者紹介】
小林泰三 : 1962年京都府生まれ。大阪大学大学院修了。95年「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞し、デビュー。98年「海を見る人」で第10回SFマガジン読者賞国内部門、2012年『天獄と地国』で第43回星雲賞日本長編部門、14年『アリス殺し』で啓文堂書店文芸書大賞、17年『ウルトラマンF』で第48回星雲賞日本長編部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • K さん

    全人類が記憶を十数分しか維持できなくなってしまった世界と、その変遷を描くSFミステリ。記憶を外部装置(メモリ)に依存することを余儀なくされた人類に様々な問題が降りかかる。人間はその存在を何処に定義づけられるのか?人間の死とは何をもって決まるのか?肉体、記憶、魂と、考えうる限りの概念をもってその答えを探し求める。アンドロイドやホログラムなども盛り込まれており、科学技術がこのまま進歩していけば、こんな未来もあり得るかもしれないと思わせるようなシンギュラリティ作品の側面も垣間見られた。人類が遂げた進化の果ては。

  • ちーたん さん

    ★★★★☆睡魔に襲われ、いつの間にか寝落ちしちゃった時って目覚めた瞬間、「へ?どこ?いつ?何時?😨💦」って一瞬焦りません?(笑)もしそんな記憶障害が断続的に起こり、10分前の記憶ですら脳に留める事が出来なくなったら…この物語はそんな『前向性健忘症(発病前の記憶しか保てない)』に全人類が突如なってしまう世界でのお話!パニック編とその後の世界の二部構成!人類生存の新たな一歩は神への冒涜?それとも?人の命とはを巧く扱った作品!しかも某Mr.都市伝説S氏は近未来こんな時代がやってくると語ってたから興味深いw

  • M さん

    記憶が10分しか保たない症状が全人類に発症。前半は人々がパニックに陥る様子をピンポイントでコミカルに。後半はそれから時が経過し、それを踏まえて人類が生まれつき記憶装置を使用するようになり。死んだ人の記憶装置をイタコに使って再会したり。記憶装置をコピーしたり。倫理性の問われる問題いろいろ。人体は所詮乗りモノでしかないのか?頭と体、どちらが本人?考えさせれてアタマが混乱。これ、人類みんな一斉にだから良いけど(?)、その中で自分だけ正常脳のままだったら…辛いよね…ゾッとする。

  • 神太郎 さん

    追悼もこめて、なにか読まねばと。10分で記憶が消えてしまうという謎の現象とそれに対処しようとする様を描いた第一部。そこから数十年後の外部記憶装置を作りメモリチップに記憶をいれるようになった人類の行き着く先を描いた第二部と気色がガラッと変わる構成には舌をまく。前半は原子力発電所を舞台としており、3.11を想起させる。続く第二部は記憶≒魂≒自己なのか?という壮大な問題を投げかけてくる。テクノロジーの先に個とはなんなのか。都市伝説で言われる来るべき精神テクノロジー社会ってのはきっとこんな感じなんだろう。→

  • おうつき さん

    世界中の人間に、記憶が短時間で消えてしまうという症状が発言する。人類はやがて、メモリと呼ばれる記憶装置を体に取り付けることで記憶を持続し続けることが出来るようになった。外部記憶装置に頼る世界では、人格や個人のパーソナリティ、生と死の境すら曖昧になっていく。その中で生きる人々を、どこかユーモラスに描いたこの作品。作中の登場人物が取る行動は現代の基準で考えれば倫理的にどうなのかと考えてしまう事もあるが、自分が同じ状況に置かれたらきっと同じ選択をしてしまうに違いない。とても面白くて一気読みしてしまった。

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人物・団体紹介

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小林泰三

デジタル復元師、鑑賞学者。1966年、東京都生まれ。大学卒業時に学芸員の資格を取得。大手印刷会社で美術のハイビジョン番組に携わる。美術の知識と美術業界のノウハウを駆使して、美術品のデジタル復元を手掛ける。その先駆者として高く評価され、ハイビジョンアワード、マルチメディアグランプリ、ユネスコシネマフェ

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