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下層化する女性たち 労働と家庭からの排除と貧困

小杉礼子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784326653942
ISBN 10 : 4326653949
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

労働市場と家庭からこぼれた若年女性が貧困に陥るケースが増えている。ジェンダー問題と関連させ女性の下層化を防ぐ方途を検討する

【著者紹介】
小杉礼子 : 独立行政法人労働政策研究・研修機構特任フェロー

宮本みち子 : 放送大学教授・副学長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 1.3manen

    男性の賃金や雇用が不安定化⇒女性の未婚率も上昇(8頁)。日本では、中高年の正社員を解雇しにくい。正社員の抑制、低賃金労働者としてバイト、派遣等で置き換える(32頁)。労働、家族、親、男性の経済状況悪化しているのに、対策が中途半端のまま、放置。これが現状なら(大)問題(43頁)。問題は、日本社会における非正規労働者の待遇が、女性労働の家族依存モデルを前提にしたものであること、このような性差別的な社会構造が成立していること自体にある。

  • ゆう。

    見えにくい女性の貧困の実態を「社会的排除」を一つのキーワードに可視化することを研究課題とした本です。その排除とは「労働と家族からの排除」と捉えています。本著ではかつて女性は家族に包摂されていたなかで、ポスト工業社会化のなか「家族依存モデル」が限界に達し、低賃金で不安定な労働市場に女性が進出している実態を読み取ることができました。家計補助的低賃金に置かれている女性の実態を考えることができたように思いました。また、支援の実態についても述べられています。一つの実態を知る上では、学ぶことの多い書籍でした。

  • fu

    最近読んだノンフィクション本の中で、群を抜いて秀逸。データが豊富な点が良い。簡潔にまとめきれるものではない為、読了後なかなか感想が書けずにいた。高度成長期においては女性は家庭に包摂されるものという大前提(女性の包摂先は親か夫。若年女性97%結婚。女性の貧困は不可視化)があったが、2000年以降未婚増加。労働からも家庭からも包摂されない場合、女性の貧困が増加した為、可視化された。2011年充足感の調査によると、専業主婦8割が充実感高く、非正規雇用、未婚、低学歴の人が充実感が低い(学歴は親の家計の影響度高)。

  • ジュリアンヌ

    若年女性の問題は見えにくく、問題化しにくいという。それはこれまでの日本で一般的だった女性は男性(夫や父親)に経済的に依存せざるを得ない社会構造的が原因となっていたからだ。男女両立が進ん現在でもそういった規範意識があるため女性の貧困、社会的排除などの社会的問題の発見が遅れたという。「自立とは何だろうか。フルタイムで働く自立は絵に書いた餅になり、もはや一人ひとりがそれぞれ持つ資源をパッチワークのように組み合わせて、人とのつながりを増やして、SOSを出しながらなんとかやっていけることが自立ではないだろうか」

  • Narr

    @長らく不可視だった女性の貧困問題に切り込んで、特にこれまで論じられていなかった若い女性たちに焦点を当て、若年男性以上に進む貧困化の現実を明らかにする。第四章では女性ホームレスに注目し、貧困問題の構造、必要な政策を記している。自分の身の回りを見れば「ああそうだな」と納得しかできない現状を再確認。女性の中でも、特に不利な状況に置かれた女性の貧困化と下層化が際立っていること。それらは男性の陰に隠れがちで可視化しづらいことが認められる。また子供の貧困化とも表裏一体で繋がってる。こういう本少ないからありがたい。

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