キスカ島 奇跡の撤退 木村昌福中将の生涯 新潮文庫

将口泰浩

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101384115
ISBN 10 : 4101384118
フォーマット
出版社
発行年月
2012年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
305p;16

内容詳細

昭和18年、壮絶な玉砕で知られるアッツ島の隣島キスカからの撤退は、完璧に成し遂げられた。陸海軍将兵5183名の全てを敵包囲下から救出したのだ。指揮を執ったのは、木村昌福。海軍兵学校卒業時の席次はかなりの下位。だが、将たる器とユーモアをそなえ、厚く信頼された男だった。彼の生涯と米軍に「パーフェクトゲーム」と言わしめた撤退作戦を描く。

目次 : 第1章 大人の風格/ 第2章 海軍士官/ 第3章 水雷屋/ 第4章 開戦/ 第5章 キスカ、アッツ占領/ 第6章 アッツ島玉砕/ 第7章 第八十一号作戦/ 第8章 第一次撤退作戦/ 第9章 第二次撤退作戦/ 第10章 敗戦/ 第11章 倚塩

【著者紹介】
将口泰浩 : 1963(昭和38)年、福岡県生れ。’89(平成元)年、産經新聞社に入社。新潟支局、整理部、経済本部などを経て、現在、社会部編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 佳乃 さん

    こんなにも素晴らしい指揮官がいたんだと感慨深いです。この時代に人の命を最優先に考え、上官らしからぬ誰にでも愛されるものを持っている。本当に素敵な方です。そして何よりも5183名という命を敵包囲下のキスカ島より救出・撤退と、本当に凄い。運というものももっているのだろう。もっと木村中将のことを知りたい。多くの人にも知ってもらいたい。今のこの時代にもこんな素晴らしい将たる器をもった方がいればいいのに。読んでいてドキドキが止まりませんでした。

  • 0717 さん

    アッツ島の玉砕後、次はキスカ島かという時。守備隊5,200名全員を帰還させ、その後上陸したアメリカ兵は日本兵の影に怯えて同士撃ち、捕虜は雑種犬3頭のみ。胸のすくような撤退劇を指揮したのは木村昌福中将。敵味方の命を粗末にしない、部下思いの人柄、立派な人がいたもんだ。

  • 白義 さん

    太平洋海戦最大の奇跡と呼ばれたキスカ撤退戦と、その指揮を勤めた木村昌福の人柄と生涯を描く評伝。「帰ろう、帰ればまた来られるから」という言葉に象徴されるように、暖かでハートナイスな人柄だったことが数少ない証言からも伝わってくる。敵兵の命も無駄に奪わず、部下の命を最優先し、決して焦らぬその姿は、間違いなく艦これの全提督の理想を体現している。合間、木村昌福の名将っぷりを強調するために、インパールで兵士たちを死に追いやり苦言を呈した部下すら退けた牟田口廉也の話を唐突に挟むのには笑ってしまった

  • yamatoshiuruhashi さん

    米国領を占領し日章旗を掲げた二つの島、アッツとキスカ。アッツ島は玉砕しキスカは「奇跡の撤退」をなし得た。その救出艦隊の司令官についての書。昭和40年に三船敏郎が木村昌福少将を演じた東宝映画が公開された。小学生だった私も両親に連れられて観に行ったが、濃霧の中を航行する緊迫感と撤退できる兵士の喜びがよく表された映画だったと思う。本書は証言に基づき解りやすく書かれている。作戦の目的は「救出」であるという本質を把握した仕事運びに感銘。

  • 勝浩1958 さん

    木村昌福氏が死の直前に書道塾の子供たちに宛て随想を書いています。「人の上に立ってものをするとき、部下の者に仕事の一部を任した場合、どちらでもよい事はその人の考え通りやらせておくべし。そのかわり、ここはこうしなければ悪くなるとか、ここで自分が取らなければ、その人に責任がかかるという時には猶予なく自分でとること。人の長足る者心すべき大事なことの一つなり」まったく同感しました。私はこの言葉を肝に銘じたいと思いました。

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