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ISBN 10 : 4902938073
Content Description
浅原才市(あさはら・さいち)というおじいさんがいました。昭和の妙好人といわれる真宗の篤信者で、宗教哲学者・鈴木大拙によって世界的に紹介された人物です。
才市は自分の信心の機微を詩にしたためていました。その詩には、信心がうまくいかない気持ち(慚愧:ざんぎ)や、そんな自分でも救われる感謝(歓喜:かんぎ)が、あふれんばかりに綴られています。
著者の寺本慧達は若き日に才市と出会い、もの静かで小柄なお爺さんである才市の、深い信心、全くひけらかすことのない純粋な心に、惹きつけられました。日々、才市と会って仏教談義に花を咲かせたものです。
慧達は才市の人物像と詩を雑誌に寄稿し、鈴木大拙にたどり着き、柳宗悦に影響をあたえ、才市は人々に知られることになったのです。
この寄稿論考をふくむ才市を紹介した慧達の好書は、昭和期に多くの人に読まれたのち、再版を望まれながらも長らく実現されませんでした。これを令和の世に再現します。慧達にしか書けなかった才市の逸話、才市の実感あふれる信心の詩は、現代人の心に染み入ります。
【著者紹介】
寺本慧達 : 明治29(1896)年島根県に生まれる。大正14(1925)年龍谷大学教授。昭和3(1928)長円寺住職。昭和5(1931)年中山精神文化研究所理事。昭和7(1932)年ハワイのヒロ本願寺に布教使として駐在、ヒロ中学校・ヒロ高等女学校校長ならびに学園長(10年間)。昭和13(1938)年ヒロ別院初代輪番。昭和16(1941)年帰国。昭和18(1943)年千代田高等女学校校長、昭和22(1947)年千代田女学園中学校校長、翌年に千代田女学園高等学校校長。文部省社会教育審議会委員、日本私学総連合幹事、東京私学審議会委員等を歴任。山陰教区邑智西組長円寺第十九世。昭和1955(昭和30)年没。行年60歳。功徳院釋慧達(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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