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台湾のアイデンティティ 「中国」との相克の戦後史 文春新書

家永真幸

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784166614349
ISBN 10 : 4166614347
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

台湾のアイデンティティは、中国との「距離感」によって時代ごとに大きく揺れ動いてきた。第二次世界大戦後の国民党政権による一党支配、その下での反体制運動と政府当局による弾圧―民主化以前の台湾をめぐる政治的争点をはじめとする歴史の結び目を紐解きながら、「人」を起点に描き出す台湾現代史。

目次 : 第1章 多様性を尊重する台湾(台湾の概況/ 台湾の人口構成 ほか)/ 第2章 一党支配下の政治的抑圧(中華民国による台湾統治の始まり/ 二二八事件 ほか)/ 第3章 人権問題の争点化(在日台湾人社会と台湾独立運動/ 台湾出身者の不安定な法的地位 ほか)/ 第4章 大陸中国との交流拡大と民主化(台湾独立運動拠点が北米に/ 「党外」運動の興隆と郷土文学論争 ほか)/ 第5章 アイデンティティをめぐる摩擦(劉暁波の馬英九評価/ 馬英九政権の対中融和政策 ほか)

【著者紹介】
家永真幸 : 1981年東京都生まれ。東京女子大学教授。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了、博士(学術)。専門は中国政治外交史、現代台湾政治。主著に『国宝の政治史―「中国」の故宮とパンダ』(東京大学出版会、発展途上国研究奨励賞、樫山純三賞学術書賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • アキ

    台湾という国のアイデンティティが生まれる時代は日本統治時代であった。1936年の皇民化運動で日本化を強制され、敗戦後敵国語となる。1947年二二八事件で白色テロが始まり数多くの市民が処刑された。アジアでトップの民主化を成し遂げ、ジェンダー指数もアジア1位であるのは、その歴史と現状があるからに他ならない。台湾の人々が望むのは現状維持であり、台湾人というアイデンティティを維持するために今回の選挙でも民進党が選ばれたのだろう。本書で国民党が敵であった中国共産党と協調する経緯も含めて、台湾の政治情勢がよくわかる。

  • 山口透析鉄

    土曜日の深夜に読了しています。これも市の図書館本で、台湾の現代史が中米日などとの関わり合いの中でかなり網羅的に描かれています。侯孝賢監督の映画などでも国民党独裁政権による弾圧の様子は描かれている通りで、二二八事件や自由中国事件などの名前も出てきます。民主化までの道のりも平坦なものではなく、やはり歴史は二分法みたいな単純なレッテル貼りでは到底、実相は見えないです。 八田與一氏の評価ひとつをとっても見方が変わると論点も異なります。 家永氏の著書は他も読もうとは思います。

  • Hatann

    多様性を尊重する民主的な社会を産み出した台湾のアイデンティティを考察する。先住民族、ホーロー人、客家人というエスニックグループが形成され、日本統治により、中国から政治的に分断されつつ、内地の日本人と区別された環境が、台湾人を括り出す思想を生んだ。戦後に国民党が渡来して、一党独裁の約40年、民主化からの約30年が経過した。中国大陸との関係性の変化が取りざたされるのは主に民主化以降。それまでは台湾の一党独裁に対する米国・日本の対応が問われた。最後に安倍元総理が台湾で支持される理由が考察されるが、心に染みる。

  • さとうしん

    内容的に若林正丈『台湾の歴史』『台湾の半世紀』とかぶる部分も多い。本書の特徴は、劉彩品ら活動家の事績や言動を多く取り上げている点、批判されがちな馬英九の政治的スタンスや施策に一定の評価を与えている点などだろうか。その他PCゲーム『返校』をめぐる議論や八田与一をめぐる日台の認識のズレなども取り上げている。

  • カリスマ

    台湾の勉強をしたくて購入。台湾入門書というよりは、元からある程度の知識を持っている人向けという性格の本だと感じた。他の台湾関係の本でも感じたが、台湾アイデンティティを巡る問題は単純に語ることができるものではなく、複雑な歴史背景を持つ国だからこそのバランス感覚を人々が持っている。中華民国を中心に据えた歴史観と台湾を中心に据えた歴史観、どちらから日中戦争を見るかによって見方がまったく違ったものになる。どちらにも振れる不安定なシーソーのようであり、当然台湾の「親日」感情についても単純に説明できるものではない。

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