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民俗学 講談社学術文庫

宮田登

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065181355
ISBN 10 : 4065181356
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2019
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
宮田登 ,  

Content Description

民俗学って何だ? 戦後の民俗学を発展させた泰斗による、決定的テキスト。
人々の日常への探究は、いかに始まり、どう展開し得るか。これを読めば全体像がわかる!

ハレとケ、山民/海民、カミとホトケ、ケガレ、女性と子ども……。
人々の営みを学として探究するための最重要事項を、初歩から核心まで明快平易に講義。
近世の萌芽から柳田国男、南方熊楠、折口信夫らに至る研究史をふまえ、
さらには都市の民俗などアクチュアルな学問としての可能性を展望する。

【本書より】
 民俗学は二〇世紀後半、世界の文明民族の間で必然的に起こった学問である。イギリス、ドイツ、フランスなどヨーロッパ文明社会の知識人たちが、同じ民族の内部で、キリスト教以前の文化や、先住民族の遺習などに気づき、それらが辺境の地域社会に残存していることを研究対象にしてスタートさせた。日本においては、ほぼ同時期に、本居宣長や平田篤胤、菅江真澄などの国学者や知識人たちが、田舎の習慣に古代を求めたり、他界観、神観念についての考えを深めたりしており、さらに明治時代末に至り日本の近代化、工業化に対する批判の姿勢をもった柳田民俗学が出発したのであった。
 各国の民俗学のあり方には、それぞれ特徴があり、一括することは難しい。しかし共通している点は、古習の残存をとらえるという観点ではなく、むしろ現代社会に現実に生きている民俗の意味を問うということであり、日本の民俗学にはそのための枠組みとして、「常民」や「ハレ・ケ」の概念が用意されたが、近年それだけでは不十分であることからつぎつぎと修正意見もだされてきている。民俗学は出発の時点においてまず都市化を経験しており、民俗が外在的にも内在的にも変容しつつあることを大きな前提としていた。民俗はつねに変化しているからこそ、変化の相のなかにプロトタイプや変化のプロセスを探ることが可能になっている。民俗の消滅は変化の仕方であり、そこに原則をとらえる必要があるだろうし、一方に民俗の再生、再生産、創造という認識もなされてくる。近代化・都市化に応じての民俗のあり方が現代民俗学にとって不可欠の視点となっているのが現状の認識といえるだろう。

【本書の内容】
1 民俗学の成立と発達
2 日本民俗学の先達たち
3 常民と常民性
4 ハレとケそしてケガレ
5 ムラとイエ
6 稲作と畑作
7 山民と海民
8 女性と子ども
9 老人の文化
10 交際と贈答
11  盆と正月
12 カミとヒト
13 妖怪と幽霊
14 仏教と民俗
15 都市の民俗

※本書の原本は、1990年に放送大学教材として刊行されました。

著者プロフィール
宮田 登 (ミヤタ ノボル) (著/文)
1936-2000年。神奈川県に生まれる。東京教育大学文学部卒業。同大学大学院修了。筑波大学教授,神奈川大学教授などを歴任。筑波大学名誉教授。元日本民俗学会会長。文学博士。専攻は民俗学。民間信仰,都市民俗はじめ広汎なテーマで、歴史学等の周辺分野とも連携しながら業績をのこした。『日本の民俗学』『ミロク信仰の研究』など著作多数。



【著者紹介】
宮田登著 : 1936‐2000年。神奈川県に生まれる。東京教育大学文学部卒業。同大学大学院修了。筑波大学教授、神奈川大学教授などを歴任。筑波大学名誉教授。元日本民俗学会会長。文学博士。専攻は民俗学。民間信仰、都市民俗はじめ広汎なテーマで、歴史学等の周辺分野とも連携しながら業績をのこした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • かんがく

    子供の頃から妖怪が好きで、民俗学にも興味はあっのだがこのように体系的な本を読むのは初めて。常民、イエとムラ、ハレとケなどの基本概念について、柳田や折口などの研究者の説を引きながら簡潔に解説されていてわかりやすい。民俗学は決して過去のみを対象にするのではないと主張し、口裂け女やコックリさんの流行の分析、都市民俗学の提言など意欲的な作品。

  • 白隠禅師ファン

    放送大学のテキスト。簡単な研究史、民俗学を語る上で必要な要素が簡単にまとめてあるので入門に良き。「ハレとケそしてケガレ」「海民と山民」「カミとヒト」の項目は興味深く読みました。

  • すずき

    元々放送大学の教科書。著者が亡くなってしまったので各章末の参考文献表が1990年当時からほぼ改訂されていないのが残念。恐らく本文も。前に宮田氏の文章を読んだ時も気になったのだが日本語がところどころ変だと思うのは私だけ…?内容は常民、ハレ・ケ・ケガレ、稲作畑作から都市民俗まで15の章を各15ページずつくらいで薄く広く扱う。

  • 南チョ

    民俗学の基礎概念について説明した本。一つ一つのテーマが簡潔にまとめられており、読みやすい。1990年の放送大学のテキストをベースにしているということもあり、記述にはやや古い内容もあったが、本書全体の良さを損なうものではないと思う。各章末で参考文献が紹介されているので、より勉強したい人にはよいと思う。

  • あやなる

    日本の民俗学について網羅されている本。淡々と今までの研究結果がまとめられていて、理解しやすかった。淡々とし過ぎていて、筆者の主張がほぼゼロなのがなんだか物足りないけど。民俗学がどうゆうものなのかというのをざっと学ぶには、充分すぎるくらい詳しい感じはした。

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