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ケガレの民俗誌 差別の文化的要因

宮田登

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480093394
ISBN 10 : 4480093397
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2010
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
宮田登 ,  

Content Description

被差別部落の白山信仰、血穢の性差別、非常民の世界、民俗概念としてのケガレ。これまで日本民俗学が避けてきた問題、ケガレと差別の底に潜むものは何か。ハレ・ケ・ケガレの民間信仰の意識構造のなかで、ケガレが不浄なるものへと変化する過程を究明し、経血にまつわる女性差別の要因である血穢の虚構をあばく。また、死穢というもっとも大きな不浄観はどのような時空間で発生するのかなど、その基底にある民俗儀礼の奥底を明らかにする。ケガレとはたんなる汚穢ではなく、ハレを喚起する力なのだ。日本民俗の深層に根付いている不浄なる観念と差別の問題を考察した先駆的名著。

目次 : 1 民俗研究と被差別部落/ 2 差別の生活意識/ 3 性差別の原理/ 4 シラとケガレ/ 5 ケガレの民俗文化史/ 6 今後の課題

【著者紹介】
宮田登著 : 1936年、神奈川県生まれ。東京教育大学文学部卒業。同大学大学院修了。筑波大学教授、神奈川大学教授を務める。その関心は民俗学にとどまらず、日本史学、人類学等、周辺諸学におよび、研究の成果は国内外で評価された。2000年に逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • テツ

    区別すること。一般的な存在と違うという認識はその対象を自分より上として見ようが下として見ようが等しく発生する見方であるのだろうけれど、そうした僕らも日常的に行っているであろう判断は差別意識と表裏一体であるということ。人間は自分より下だと見下せる存在を創るために様々な説明付けをしてしまう生き物なんだろうな。差別して他人を見下すことはとてもきもちがいいということを自覚することが、その快楽に流されない自分を構築する唯一の手段な気がする。

  • 二戸・カルピンチョ

    民俗学、深いですね。かといって「この説で決定!」と言い切るには足らずに、各学者の考察を比較するにとどまるものなのかしら。個人的には白山信仰や被差別部落の人々の神霊に近い仕事、女性に対する不浄、ケガレに関する考察が面白かったです。難しかった…

  • (k・o・n)b

    難しかった…。各パートの連関が見出せず、言うほど「差別の文化的要因」というサブタイトルに合った内容か…?と頭を捻りながら読んでいたが、最後の「初出」の章を見るに複数の論文をまとめた本のよう。だからか。いや、自分の頭が悪いだけか…。「ケガレ」とは単純に不浄とイコールな概念ではなく、日常(「ケ」)を送る上でその力が失われてきた状態をも含意しており(「気枯れ」「気離れ」)、ハレを喚起する力とも言えると言う。だからこそ、皮剥ぎ等死穢を想起させる職業の人々や、月経や出産時のイメージから血穢と結びつく女性は→

  • あかつや

    民俗概念としての「ケガレ」はどのようにして不浄な「穢れ」と結びついていったのか。差別につながる言葉の本来の意味を明らかにすることで差別そのものの根拠を失わせようという試み。いろんな事例が載ってて、そういえば日常のあれやこれやもそういう意味があるのかな、なんて思ったりして、新たな視点をひとつもらったような感じ。ケガレとされる事例、昔からあるものもあれば今新たに増えてるものもあるよなあ。今後新型コロナでさらに増えていくんじゃないかな。あと直接触れることのないネットの世界にもケガレの事例あるような気がするなあ。

  • ゆーき

    学生時代『古事記』でケガレに関する授業があったのを思いだし、興味本位で手に取った。ケガレを「気枯れ」とする説、いやいや「怪我れ」ではないかとする説など、とても興味深い。それにしたって、元々霊力の高い女性がどんどんと祭司の立場から排斥されていく様は辛いものがあった。男たちにとって、神道や偽経とされる血盆経が説く血のケガレは女性を追放する良い口実だったのだろうな。血のケガレの話を目にするたび、忌避する彼らは、果たして自分たちがどうやって産まれたのか、忘れてしまったのだろうかと考えても仕方ないことに心が膿んだ。

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