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ISBN 10 : 4794812957
Content Description
「子育ち」は自然とともに
OMEP(世界幼児教育・保育機構)「ESD大賞」受賞(2024年)への軌跡
「子育て」と「子育ち」の違いは何だろうか。常日頃から保育者は、「子育て」という言葉を使っている。親も同じであろう。その結果、私たちは、子どもたちに何かを教えようとしてしまう。「もっとやりたいことがあるのに‥‥」と、子どもたちは思っていることだろう。
東京都調布市と狛江市にある保育園「パイオニアキッズ」では、子どもたちと共に野川や森に出掛けて探索を行っている。野外に出ると、野鳥の飛来、樹木の芽吹き、小さな生きものとの出合い、梅雨の匂いなどから、四季の変化を五感で感じ取っている。そこに、保育者が意図した成長の結果が待っているわけではない。保育者は、子どもたち自らの興味関心から世界を拡げていき、自分たちなりの学び方を身につけると信じているだけだ。これこそが「子育ち」なのではないだろうか。
自然は学びの機会を提供してくれる。とくに「四季二十四節季七十二候」という暦は、日本ならではの、自然の「移ろい」を気づくキッカケとなる。豊かな自然の変化は、大都市東京であっても、子どもたちは日常のなかで気づき、自分の頭で考えて「探索」している。自然のなかで過ごす活動は、どうやら一般的な保育とは違った魅力的な活動に思えるようだ。
共編者の光橋翠さんのすすめもあって、「パイオニアキッズ」の日常を、2024年の「OMEP(世界幼児教育・保育機構)」に論文として応募をした。なんと、それが、「ESDアワード(持続開発のための教育)」という大賞の受賞につながっている。本書では、「パイオニアキッズ」の子どもたちが自然に触れて変容していく姿を「13の物語」として紹介することにした。これらの物語から、「子育ち」という姿を見取っていただければ幸いである。また、「パイオニアキッズの歩み」(第1章)においては、「保育」そのものの変容過程も紹介している。
【著者紹介】
宮武貴子 : 社会福祉法人調布白雲福祉会、専務理事。認可保育園・認定こども園パイオニアキッズ、統括園長。学校法人田中学園白根幼稚園(横浜市)理事。一般社団法人全国保育士養成協議会委員。学び手主体の乳幼児教育を社会福祉に結びつけ、サステナビリティな保育園づくりとファミリー&コミュニティ事業を実践中
光橋翠 : 国際基督教大学卒業。修士(国際協力学)東京大学、博士(社会科学)お茶の水女子大学。お茶の水女子大学基幹研究院研究員。サステナブル・アカデミー・ジャパン共同代表。野外生活推進協会公認講師。持続可能な社会の実現に向けて、地域の野外環境教育の支援や人材育成、国内外での研究活動に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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