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慈雨の音流転の海 第六部 新潮文庫

Teru Miyamoto

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101307558
ISBN 10 : 4101307555
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2014
Japan

Content Description

昭和34年、中学生になったものの、あいかわらず病弱な伸仁の身を案じていた松坂熊吾だが、駐車場の管理人を続けながら、勝負の機会を窺っていた。ヨネの散骨、香根の死、雛鳩の伝染病、北への帰還事業、そして海老原の死。幾つもの別離が一家に押し寄せる。翌夏、伸仁は変声期に入り、熊吾は中古車販売店の開業をついに果たすが―。「生」への厳粛な祈りに満ちた感動の第六部。

【著者紹介】
宮本輝 : 1947(昭和22)年、兵庫県神戸市生れ。追手門学院大学文学部卒業。広告代理店勤務等を経て、’77年「泥の河」で太宰治賞を、翌年「螢川」で芥川賞を受賞。その後、結核のため二年ほどの療養生活を送るが、回復後、旺盛な執筆活動をすすめる。『優駿』(吉川英治文学賞)『約束の冬』(芸術選奨文部科学大臣賞)『骸骨ビルの庭』(司馬遼太郎賞)等著書多数。2010年、紫綬褒章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ミカママ

    正直、中だるみもあった、それでもやはりところどころ、ちゃんと見せ場を作る手法はさすが。そして今回ほど視覚的に読ませる巻もなかろう。鉄橋の上から散骨する熊吾ら家族、わが子のようにいつくしんだ鳩を同じく鉄橋から手放す伸仁。その情景を思うだけで、胸がキューンとなる。年齢とともに勢いを失くしていく熊吾が気になるが、その分、伸仁の成長ぶりに目を見張ることになる。手元にある紙本はここまで。以降をKindleで読むか、それとも帰国まで待つか?それが大問題だ。

  • takaichiro

    流転の海シリーズ第6段。時は昭和34年。日本は皇太子(現代の今上天皇)ご成婚、日米安保、そして東京オリンピックに湧き返る。中学生になった伸仁はいくつかの別れを経験する。育ての親叔母ヨネの逝去、大事に育てた伝書鳩の雛を鉄橋から大空へ返すこと、そして蘭月ビルの住人の北朝鮮への帰国。様々な生・死の形に直接触れた経験から少しずつ大人になっていく息子。一方、父の熊吾は相変わらず大酒を飲み、糖尿病が悪化していく。いつの時代にも繰り返される男親子の競争意識と、息子の成長を自分に照らし喜ぶ父親心。物語はいよいよ後半へ。

  • chikara

    「満月の道」を読む為に「流転の海」から読み始めやっとたどり着きました。しかし、読むのが勿体ない。 深く読み取れているだろうか?『秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず』これが感想。 再読が必要です。素晴らしい人間模様に学ぶべき事柄が多いです!

  • reo

    この昭和三十四年から十年後、昭和四十四五年頃、僕は阪神電車で通勤をしており、福島の開かずの踏切とか、熊吾が土手鍋屋「牛ちゃん」の大将と一緒に帰った浄正橋から出入橋、福島西通りなど懐かしい地名が登場してきて嬉しい。当時阪神百貨店の一階にOBCのサテライトスタジオがあり、当時若手のバリバリの桜井一枝などが出演していた。そしてここに出て来る阪神裏はこのとおりで、素人は入っいて行けなかった。今の丸ビル、大阪第一ホテル辺りかな。ということで案外アッサリ海老原太一が死んでもた…。この頃からモータリゼーションの波が!

  • はにこ

    今回はモータープールでの生活が描かれる。あんなにひ弱だったのぶちゃんが成長し、身体も強くなっているのが感慨深い。それと対比して亡くなる人もいる。流転の海という壮大なステージに上がっては消えていく人々を思うと生と死をかんがえさせられる。60を過ぎても家族のために奔走する熊吾。その生命力に魅せられる。

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