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安楽死を遂げるまで

宮下洋一

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784093897754
ISBN 10 : 4093897751
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

安楽死、それはスイス、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、アメリカの一部の州、カナダで認められる医療行為である。超高齢社会を迎えた日本でも、昨今、容認論が高まりつつある。しかし、実態が伝えられることは少ない。安らかに死ぬ―。本当に字義通りの逝き方なのか。患者たちはどのような痛みや苦しみを抱え、自ら死を選ぶのか。遺された家族はどう思うか。79歳の認知症男性や難病を背負う12歳の少女、49歳の躁鬱病男性。彼らが死に至った過程を辿るほか、スイスの自殺幇助団体に登録する日本人や、「安楽死事件」で罪に問われた日本人医師らを訪ねた。当初、安楽死に懐疑的だった筆者は、どのような「理想の死」を見つけ出すか。

目次 : 第1章 安楽死の瞬間「スイス」/ 第2章 僕が死ぬ日にパーティをしよう「オランダ」/ 第3章 精神疾患者が安楽死できる国「ベルギー」/ 第4章 「死」を選んだ女と「生」を選んだ女「アメリカ」/ 第5章 愛か、エゴか「スペイン」/ 第6章 殺人医師と呼ばれた者たち「日本」

【著者紹介】
宮下洋一 : 1976年、長野県生まれ。ジャーナリスト。18歳で単身アメリカに渡り、ウエスト・バージニア州立大学外国語学部を卒業。その後、スペイン・バルセロナ大学大学院で国際論修士、同大学院コロンビア・ジャーナリズム・スクールで、ジャーナリズム修士。フランス語、スペイン語、英語、ポルトガル語、カタラン語を話す。フランスやスペインを拠点としながら世界各地を取材。主な著書に、小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞した『卵子探しています 世界の不妊・生殖医療現場を訪ねて』など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 遥かなる想い

    第40回(2018年)講談社ノンフィクション賞。 超高齢化社会を迎える中、安楽死の問題に取り組んだ作品である。 世界における安楽死の実態がわかる衝撃的な 本である。患者たちはなぜ自ら死を選ぶのか? そして残された遺族は…著者はスイス、 オランダ、ベルギーと世界の状況を取材するが…第6章の日本の事例は読んでいて 心に痛い。幸せな死とは何なのか… 心にずっしりと 重い本だった。

  • いつでも母さん

    安楽死、尊厳死、自殺ほう助・・勿論そこに医師が介在する外国でのケース。認知症の項がもう少しあるのかと期待してしまった私がいた。末期がんや余命宣告されたケース、耐えられない痛みの場合等々・・自分はどう最期を迎えるか。死生観や宗教観、残された(見守った)者の思いが絡むから一概に賛成・反対は言えない。日本ではどうか?タブー視されているこの問題をそろそろ本気で考える時ではないのか?延命措置は要らない。消極的治療?ある意味あやふやでごまかしているだ。私は私の意志で尊厳死に賛成だ。言葉の持つイメージは大きいと感じた。

  • ろくせい@やまもとかねよし

    欧米で合法化されていく安楽死・尊厳死のレポート。日本も含めた個別事案について紹介する。生物的な肉体崩壊を死と捉えた、人間個人の究極な利己性行使への考察と感じた。この問題は、科学の発展から生死のあいまいな線引きが起因と言われる。本書関連では、発達する医学が意識を超えた生を実現し、人間社会の多くの個人がこの問題に直面する機会となっていると。一方、同じ問いは自殺の問題として人類は経験済み。医療の側面で定義されようとする安楽死や尊厳死。それを許容する社会。人間の生死を根本的に再考する必要があるだろうか。

  • fwhd8325

    日本では安楽死というテーマを深刻な問題として語られてことがないと思います。著書でも紹介された日本のいくつかの安楽死を巡る事件も是非論を闘わすまでに至っていないのが現状だと思います。長寿社会と言われます。一方で老老介護と言われる現実もあります。死を選択する権利を得ることで、悪用される恐れはあります。しかし、人としての尊厳を考えたときに、必要な選択肢であるとも思います。とても難しいテーマですが、著者の取材によって、少しだけわかったような気持ちになりました。

  • Willie the Wildcat

    個々の持つ環境差異。一個人の権利だけで片付けられず、社会・宗教・文化などの要素が複雑に交錯。個々人の意思、周囲の理解、社会の仕組みなど、Bottomの整備は最低限必要に感じる。敢えて矛盾を言えば、”最低限”とか、”条件”とか、十把一絡げに括るのは、そもそも論で次元が異なる話とも感じる。例えば、文中垣間見る著者の”ジレンマ”の数々。中でも「Good Morning」の件と、著者の祖母の最期の際に体験した医師の言葉。普段何気に口にする言葉の”深み”を考えさせられた。決して他人事ではないんだよなぁ。

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