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自民党の女性認識 「イエ中心主義」の政治指向

Yuko Ando

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784750354231
ISBN 10 : 4750354236
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2022
Japan

Content Description

自民党は長らく、女性を従属的な「わきまえる」存在と見なし、「イエ中心主義」の政治指向を形成してきた。戦後の保守再生の流れの中で、そうした女性認識はいかに形作られ、戦略的に再生産されてきたのか。国会に女性が増えない原因を解き明かす画期的試み。

目次 : 1 女性認識の形成と再生産―自民党の政治指向をめぐって(女性議員数の推移と概観/ 自民党の政治指向「イエ中心主義」/ 家族イデオロギーの形成と日本型福祉社会/ 日本型多元主義による「イエ集団」としての政党/ 政治指向の象徴としての血縁継承)/ 2 自民党議員のキャリアパス分析―候補者選定の傾向について(「イエ中心主義」の議員選定/ 医療関係出身者のキャリアパス/ 教育関係出身者のキャリアパス/ メディア出身者のキャリアパス/ 民間企業出身者のキャリアパス/ 地方議会から国政へのキャリアパス/ 地方議会と女性議員)

【著者紹介】
安藤優子 : 1958年生まれ。東京都立日比谷高校からアメリカ・ミシガン州ハートランド高校に留学。同校卒業。上智大学外国語学部比較文化学科卒(現:国際教養学部)。上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科グローバル社会専攻修士課程修了(2008年3月)。社会学修士号取得。東京大学大学院人文社会系研究科客員准教授(2009年4月1日〜9月30日)。上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科グローバル社会専攻博士課程後期・満期退学(2013年9月)。グローバル社会学博士号取得(2019年9月)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • すくすく

    博士論文の書籍化で、かなり硬派。興味深かった。「なぜ国会に女性議員が増えないか?」がテーマ。政権与党の自民党が想定する福祉国家は女性が育児介護を担う、イエを前提として立案され、その権力基盤は世襲議員の増加に代表される地盤、地縁に立脚した集票システムで成立。議員には世襲以外の新規参入が年々困難になっていて、クオータ制どころか、候補者数の男女同数化すら実現困難なことが分かる。史実、ジェンダー論、制度論と多面的にまとめられていて説得力あり。会社に置き換えてもイメージしやすく、真の男女共同参画は遠いと実感。

  • 駒場

    そもそも女性議員の母数がすくね〜!のだが、1)自民のブレーンともなった香山が「日本型多元主義」(西欧と異なるイエ中心。自民は多元的で擬似的政権交代を実現しているというアレ)を肯定したことが自民のイエ中心主義を正当化した、2)女性はイエの従属員たる「家庭長」とみなされた、3)にも関わらず自民の選対本部は家庭長的女性を立候補させない素地がある、という話がよくまとまっている。男性と比べ女性国会議員のキャリアパスに「地方議員からの叩き上げ」が有効に機能していない点は、これ一冊でテーマにしてもいいのでは?と思った

  • Noribo

    高度経済成長から低成長時代に入り、自民党は西欧型の近代化の限界を訴え日本の伝統的家族観や自助の精神を再評価する日本型福祉社会論を唱えた。この中の「男性稼得主義(男は外で稼ぎ)」「女性は家庭長(女は家庭)」等の「イエ中心主義」は現在でも自民党の政治志向の原点であり、本書はこれが女性国会議員が少ない根因であるとする。全体を通しての結論は@女性個人を評価する社会認識の確立、A候補者選定システムの開放と選挙支援、B男女目標数義務化と5頁程の分量に過ぎない。著者ならではの取材調査部分が充実しているだけに残念。

  • てくてく

    自民党の「イエ主義」や世襲制議員の多さなどは既に知っているが、それがどのあたりから強くなったのか、自民党に所属する女性議員はどのような位置づけなのかといったことを丁寧に分析していて、なるほどと思うところもあった。特に女性は「家庭長」であり、福祉予算削減のためにも女性は家で稼ぎ手である夫を支え、家族についての責任を負うことが求められてしまう考えを、戦後においても政府与党トップが支持していたことあたりが印象に残った。野党が政治の場により多くの女性を送り込むか、自民党が女性議員を育てるか、どちらが早いのだろう。

  • カモメ

    戦後復興していくなかで、社会保障制度が破綻した英国を例に挙げ欧米追従ではなく日本独特のイエ役割の再検討を盛り込んだ日本型福祉社会論が提案される。そこでは女性は家庭を守る家庭長と認識されており、配偶者控除など社会保障の従属的立場としての妻を優遇する政策が実現された。また、金権体質が批判されるも疑似家父長制として捉えられる派閥の存在が擁護され、多元的と評された。日本の地方議会においては女性が少ないのはきめ細やかな対応への物理的な負担だと言われる。

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