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経済学は人びとを幸福にしたか

宇沢弘文

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784492314425
ISBN 10 : 4492314423
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2013
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

03年刊『経済学と人間の心』の新装版。効率性よりも人間の尊厳を大切にした経済社会の構築を説く。池上彰氏の解説つき。


哲人経済学者はこう考える


2003年刊の底本『経済学と人間の心』(四六版上製)の新装版。
著者は市場メカニズムや効率性の重視に偏った考え方を批判し、人間の尊厳や自由を大切にした経済社会の構築を訴えてきました。


実際、2000年代後半のリーマン・ショックや世界経済危機を経て、「人間が中心の経済」という思想はますます輝きを増しています。同時に、幸福な経済社会を作るうえで、経済学がどのような役割を果たせるかという議論が巻き起こっています。


新装版では底本の構成をガラリと変え、未公開の講演録2本を追加しました。さらにジャーナリストの池上彰氏が「『人間のための経済学』を追究する学者・宇沢弘文」と題して、解説を加えています。


ノーベル経済学賞候補と言われた世界的な知の巨人・宇沢弘文氏が、温かい言葉でその思想を語った、珠玉のエッセイ集です。


目次
第1部 市場原理主義の末路(社会的共通資本は市場原理主義では守れない/ パックス・アメリカーナの危うさ)/ 第2部 右傾化する日本への危惧(昭和天皇とヨハネ・パウロ二世の言葉/ 戦争の傷を抱えた経済学者)/ 第3部 60年代アメリカ―激動する社会と研究者仲間たち(若き友人たちを巻き込んだヴェトナム戦争/ レオン・フェスティンガーを偲ぶ/ 九・一一テロが想起させる『ローマ帝国衰亡史』/ ハーヴェイ・ロードの僭見と日本の官僚)/ 第4部 学びの場の再生(魚に泳ぎ方を教える/ 経済学の新しい地平を拓くのは学生だ/ 果たせなかった「夢の教科書」作り/ 大学で「学び」を心ゆくまで楽しむ/ ビールを飲みにゆく心のゆとり/ ケンブリッジのカレッジで/ 福祉は制度化できるか)/ 第5部 地球環境問題への視座(社会的共通資本としての環境/ 経済学はグローバル・チェンジを考察できるのか/ 空海が学んだスリランカの溜池潅漑/ 人間的な都市を求めて―ルーヴァン大学の挑戦/ 緑地という都市環境をどう創るか)




【著者紹介】
宇沢弘文 : 東京大学名誉教授。日本学士院会員。1928年生まれ。東京大学理学部数学科卒業、同大学院に進み、特別研究生。1956年スタンフォード大学に移り、同大学経済学部助教授、カリフォルニア大学助教授を経て、シカゴ大学教授。1969年東京大学経済学部教授。その後、新潟大学教授、中央大学教授。2003年4月〜2009年3月同志社大学社会的共通資本研究センター長。1997年文化勲章受章。世界計量経済学会会長を務めた。成田空港問題にかかわり、都市問題、地球温暖化問題に取り組む。近年は社会的共通資本の考え方の普及に力を注いでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ハイランド

    経済学は全くの門外漢ゆえ、氏の名前も知らなかったのであるが、自身の無知を恥じるしかない。経済学者といえば、パソナ会長の某氏を代表とした金の亡者ばかりと思っていたからだ。そも学問とは、本質的に人間の幸福の追求を究極の目的にすべきではないか。それは市場原理主義と対立する概念であるが、社会的共通資本の考え方は重要である。残念ながら現在の日本はフリードマンや竹中平蔵の流れに乗り、規制緩和、グローバリズムの道を突き進み、多くの国民が将来に希望を見いだせず疲弊している。私達は、今一度立ち止まる必要があるのではないか。

  • かわうそ

    宇沢さんの社会的共通資本について知りたい人は他の本を当たった方がいいかもしれない。「人類が直面している重要な問題はいずれも、資本主義とか社会主義という経済学のこれまでの考え方では解決できない。制度主義の考え方を具現化した社会的共通資本を大切にして、一人ひとりの人間が人間的尊厳を守り、魂の自立をはかり、市民的自由を最大限に確保できるような安定的な社会を求めて、人々の協力と協調が求められている。」p80 西洋的なエコノミー(節約カッコの考え方ではなくて東洋の「世を経め、民を済う」経世済民の考え方こそ重要だ。

  • James Hayashi

    東大名誉教授(数理経済学)。底本は「経済学と人間の心」03年。新版には池上彰氏が投稿されている。経国(世)済民が本来の意なので人間を幸福にできなければ意味がない。しかしながらタイトル的な内容でなく、著者の講演や随筆がまとめられたもの。成田空港建設での問題で著者の活躍があり現在に至ったそうですが、学者として一流だったのでしょう。ハルバースタムの「朝鮮戦争」要読書。

  • NICKNAME

    日本の誇る世界的経済学者宇沢氏著による2冊目の本、前回読んだ本の内容が最初の方に含まれているが、この人は経済学者とわいえ、日本をそして世界を、人々にとって平等で平和に生き易いものにしようと、常に色々と真剣に考えていた立派な人であるという事が改めて実感できる。またこれだけの業績を成しながら常に人として謙虚である。この様な人がもう亡くなってしまったのは本当に惜しいものです。現在主流派の経済学者?達とまず人間としてのレベルが圧倒的に違い過ぎます。

  • 白玉あずき

    ベトナム反戦運動に対する弾圧によって人生を狂わされた同僚、学生たちのエピソードには目頭が熱くなりますな。国家の暴力は外集団だけではなく、内集団に向けても振るわれる物、忘れてはいけない。英国の植民地政策等々、社会的正義に反するものに対する舌鋒の鋭い事。フリードマンや市場原理主義に対する反感反発にも溜飲が下がります。持続的な環境保全の視点からジェーン・ジェイコブスが登場したのにも驚いた。視野の広い方だ、すばらしい。学問とはかくあるべし。枕元に長年積んだ「社会的共通資本」、睡眠学習の効果も無いので読まねばなあ。

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