『私の航跡 メディアと教育のあいだ』は、船にまつわる三部作『笠戸丸から見た日本』『蟹工船興亡史』『信濃丸の知られざる生涯』を執筆した著者、「うさみ丸」こと宇佐美省三氏が90歳を超えて執筆した著書です。 かつて三部作を手に取った際には、「資料や文献で確かめる」「現地を訪ねる」「関係者に会う」といった丹念な調査が文章の行間から伝わり、その姿勢に感銘を受けてファンになりました。今回『私の航跡 メディアと教育のあいだ』を読んで、調査のために三度も渡英されたことを知り、さらに感銘を受けました。加えて、三部作を通じて貫かれているテーマが「一般人の生活」であることがわかり、生涯のファンになりました。 『私の航跡 メディアと教育のあいだ』では、小児喘息をきっかけに読書好きになり、友人の早世を契機に視聴覚教育に目覚め、目の前の課題に取り組む中で次々と新たな使命を見出していく、という「うさみ丸」こと宇佐美省三氏の軌跡を辿ることができます。 本書は、教育者を志す方、メディアに携わりたい方にとって指針となる一冊です。また、海や船を愛する方々には、宇佐美氏による三部作『笠戸丸から見た日本』『蟹工船興亡史』『信濃丸の知られざる生涯』もぜひ手に取っていただきたいと思います。